茨城の2件、国指定重文へ 日立の5馬力モーター 風返稲荷山古墳出土品

国重要文化財の指定が答申された五馬力誘導電動機
国重要文化財の指定が答申された五馬力誘導電動機
風返稲荷山古墳出土品
風返稲荷山古墳出土品
文化審議会は18日、国産初のモーターで日立製作所の第1号製品、5馬力モーターの名で知られる五馬力誘導電動機(日立市、同社日立オリジンパーク保管)と、風返(かざかえし)稲荷山古墳出土品(かすみがうら市歴史博物館)の茨城県内2件を国指定の重要文化財に指定するよう永岡桂子文部科学相に答申した。

5馬力モーターは1910年、同社創業者で日立鉱山工作課長だった小平浪平(1874~1951年)の指揮の下、製造された。当時、鉱山用の機械は大半が外国製だったが、「自分たちの機械は自分たちの手で作ろう」と開発。これを機に電気機械の製造を本格化させた。

日本人が設計製造したモーターとして現存する最古のもので、電気機械の国産化の礎を築いたとして、産業技術史上に学術的価値が高いと評価された。電動機が国の重要文化財に指定されるのは初めて。同社製品としても初。

指定されるのは10年に作られたモーターのうち、製造番号「1」の1台。高さ45センチ、重さ約130キロの鋳鉄製で、社の歴史を伝える日立オリジンパークの小平記念館(同市大みか町)に展示されている。絹に書かれた設計図面5枚も併せて指定される。

風返稲荷山古墳出土品は、古墳時代後期(6世紀末~7世紀初頭)に霞ケ浦沿岸に築かれた前方後円墳で64年に発見された。

副葬品は、優美な銅製のわん、金銀で装飾された馬具や武器、太刀を含む計53点で構成される。独特な形状で希少な棘葉形杏葉(きょくようけいぎょうよう)を含む2組の馬具は保存状態が極めて良好で、当時の輝きを現代に伝える。この時代の金工品の種類や製作技術を知る上でも重要と高く評価された。

市歴史博物館によると、ヤマト政権の影響が装飾品の模様にうかがえる。千葉隆司館長は「聖徳太子が活躍した時代、中央政権と密着した偉大な地方豪族がこの地にいたことが分かる」と説明する。市は来年度以降、霞ケ浦沿岸の古墳文化の魅力を紹介する展覧会を開きたい考えだ。

宮嶋謙市長は「大変うれしい。市民が郷土の歴史に触れ、愛着と誇りを感じてほしい」と期待する。同館では現在、出土品の一部を展示している。

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