ICT生かし体育授業 茨城・鹿嶋 鉢形小、全国最優秀に 動画撮影し改善や評価

「全国学校体育研究最優秀校」の受賞を鹿嶋市教委の川村等教育長(中央)に報告した市立鉢形小の太田雄介校長(右)ら=市役所
「全国学校体育研究最優秀校」の受賞を鹿嶋市教委の川村等教育長(中央)に報告した市立鉢形小の太田雄介校長(右)ら=市役所
ICTを活用した体育授業の研究に取り組んだ鹿嶋市立鉢形小の公開授業=2021年11月、同市鉢形台
ICTを活用した体育授業の研究に取り組んだ鹿嶋市立鉢形小の公開授業=2021年11月、同市鉢形台
情報通信技術(ICT)を活用した体育授業の研究に取り組んでいた茨城県鹿嶋市立鉢形小(太田雄介校長)が、本年度の「全国学校体育研究最優秀校」を受賞した。18日に太田校長らが市教委の川村等教育長を訪れ、受賞を報告した。

同校は、2019年度に県教委の「学校体育研究推進校」、20年度には国立教育政策研究所(東京)から国内で3カ所しかない「実践研究協力校」にそれぞれ指定された。研究テーマは「一人一人が主体的に運動に関わるための資質・能力の育成-ICTの効果的な活用を通して-」。同賞は全国の小学校6校が受賞した。

同校は1人1台端末となる以前からICT教育に取り組み、遅延カメラソフトを使った授業などを実施。跳び箱を跳んだ児童が、自身の跳ぶ様子を撮影した動画を確認して自己評価したり、教員が指導と評価を一体的に行い、児童に即座に改善点などを伝えたりする授業に取り組んできた。

研究では「撮影」「見る」「モデルを示す」「評価する」など7項目について、ICTを中心に授業改善や評価の工夫について考察を重ねた。同校によると、児童の知識や判断力、主体的に学ぶ態度に関する資質向上が確認されたほか、組織的な取り組みによって教員の指導力も高まったという。

担当した渡辺杏二教諭(42)は「最初はどのアプリを使うべきか迷い、手探り状態だった」としながらも、取り組みの成果を「これまで目視に頼っていた技能を公正に評価できるようになった」と話した。

同校によると、できるだけ多くの教員間で研究の成果を共有するため、現在は算数の授業にも応用し、同様の授業を展開しているという。

川村教育長は「これほどの賞はなかなか頂けない。もっと取り組みが広がるよう期待したい」と受賞をたたえた。

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