複合交流施設の建設、市街地に変更方針 茨城県かすみがうら市

かすみがうら市が複合交流拠点施設用地として購入した空き地。都市公園を造る計画に変更する=同市稲吉南
かすみがうら市が複合交流拠点施設用地として購入した空き地。都市公園を造る計画に変更する=同市稲吉南
茨城県かすみがうら市はJR神立駅近くに計画していた複合交流拠点施設について、建設の場所を見直す方針を示した。現在の土浦市との境界にある用地から、より市街地の中に変更する。既に購入した約2・8ヘクタールの土地は都市公園とする考え。宮嶋謙市長が市議会や、市民との対話集会で計画案を提示した。

同施設は市が2025年度の利用開始を目指し、同市稲吉南の用地に交流拠点と防災公園を造る計画を進めてきた。総事業費は約29億6千万円で、国補助金を除き市の負担は約12億円の見込みだった。

これに対し、今年7月の市長選で計画の見直しを公約に掲げる宮嶋市長が当選。計画を中止するか見直すかといった内容を検討してきた。

計画中止の場合は主に土地取得費約10億4千万円のみ。しかし国の土地集中再編事業の補助金(補助率50%)を得る方向で施設計画を進めてきたこともあり、「にぎわいのある公園」を整備する案をまとめた。

宮嶋市長は市議会や対話集会で、購入用地が市の財産として確定し、有効活用が必要になったと指摘。都市公園を求める声もあり、「国の援助を受けながら市民のためになる、質の高い公園にしていく」と説明した。公園内に必要なコミュニティー施設などを設置する可能性にも言及した。

市公共施設等マネジメント推進室によると、にぎわい公園は総事業費約20億8千万円、市の負担約8億4千万円を見込む。本年度中に基本設計の見直しを行い、23年度に住民向けのアンケートや説明会を実施。同年度以降に実施設計や工事発注を進め、26年度に利用を始める計画。

一方、複合交流拠点施設の建設用地は、市有の「稲吉ふれあい公園」(同市稲吉4丁目、約5千平方メートル)とその周辺を第一候補とする。対話集会で宮嶋市長は、老朽化した勤労青少年ホームなど近くの公共施設の統廃合も視野に入れる考えに触れた。図書館や多目的ホールといった機能を含め、「いろいろな可能性を排除せず、時間をかけて市民の意見を聞いて合意形成を図りたい」と述べた。

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