心の輪広げる体験作文 浅沼さん(茨城大付属小)総理大臣表彰

大井川和彦知事(右)を表敬訪問した浅沼稟佳さん(中央)=県庁
大井川和彦知事(右)を表敬訪問した浅沼稟佳さん(中央)=県庁
■「障がいは社会の中に」 知事に報告

「障がいは、社会の中にある」。茨城大付属小5年の浅沼稟佳(りんか)さん(11)=水戸市在住=が作文に書いた言葉だ。盲導犬のスーさんと暮らす女性「森畑さん」に教わったという。この作品は、障害のある人との触れ合い体験などをテーマとした「心の輪を広げる体験作文」(内閣府主催)で応募251編の中から最優秀賞となる総理大臣表彰を受けた。文末は「森畑さんとスーさんが歩きやすい社会を私も一緒に作り、歩きたい」と結んでいる。

浅沼さんは盲導犬の訓練を受ける子犬と1年間生活するボランティアをきっかけに、盲導犬について学習。四国在住の森畑さんにオンラインで話を聞く機会があり、その際に感じたことを丁寧につづった。

文中では「コマンド」と呼ばれる指示を出しながら行動することや、安全に歩けて外に出るのが楽しくなったことなど、盲導犬との生活や意義に触れた。また、障害とは何か森畑さんに問われ、「体の不自由なところを思い浮かべた」と浅沼さんは振り返った。道の段差、放置自転車、はみ出した看板など「障がいは、社会の中にある」と教わり「森畑さんとスーさんが不便な道は私たちにとっても不便な道に変わりない」と感じた。

さらに、自身にできるのは、学習した盲導犬の知識や森畑さんからの学びを「多くの人に伝えること」と決意も記している。

23日には県庁に大井川和彦知事を表敬訪問し、受賞を報告。大井川知事は「気持ちが伝わる良い文章だった。県にとっても名誉」とたたえた。

浅沼さんは「障害は(障害者の)体の中にはないことを初めて知ることができ、成長できた」と振り返り、受賞について「本当なのかと疑うくらい驚いた。これまでの人生で一番うれしい」と喜びを語った。

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