「日本一小さな水族館」3月閉館 茨城・常陸大宮の山方淡水魚館

山方淡水魚館の高林暁一郎館長=常陸大宮市山方
山方淡水魚館の高林暁一郎館長=常陸大宮市山方
3月で閉館する山方淡水魚館
3月で閉館する山方淡水魚館
■客減少止まらず 50種400匹

茨城県常陸大宮市山方の「山方淡水魚館」が3月に閉館する。国の特別天然記念物、オオサンショウウオも展示され、園児の遠足コースとなるほか、家族連れが訪れた。施設規模や入場料の安さから「日本一小さな水族館」と親しまれたが、台風被害やコロナ禍にも見舞われ、来館者の減少が止まらず、37年の歴史に幕を閉じる。

旧山方町が合併前の1986年、地域おこしを目的に「山方自然生態観察施設」として開館した。近くを流れる久慈川を再現した渓流水槽に、50種400匹の水生生物を観察できる。

身近なアユやコイ、カジカのほか、イワガニやエビ類、イモリなどを展示。ウーパールーパーや北海道が生息地のイトウなど貴重な生物もいる。

現在は市振興財団が管理運営する。入場料は大人150円、小中学生70円と手頃だ。就学前児童は無料。土日・祝日の来館者は広場で、「ミニ新幹線」に無料で乗車できる。

同館の目玉であるオオサンショウウオは、岡山県で生まれた。91年に3匹の飼育を開始。国産のオオサンショウウオの展示は県内唯一だった。

当時、名前を公募し、3匹合わせて「里山大好きくん」に決定。それぞれ「里ちゃん」「山ちゃん」「大好きくん」と命名された。

3匹は体長1メートルを超えたが、里ちゃんは2021年に死んだ。同館最大の大好きくんは122・1センチまで成長していることが近年確認されている。

一方、来館者数は年々減少し、コロナ禍も手伝い、昨年、月単位で千人を超えたのは8月のみと低迷。課題だった展示内容の変化、リピーターや新しい来館者の獲得などが解消されず、閉館が決まった。

館長の高林暁一郎さん(70)は「つらかったのは、2019年の台風19号で久慈川が氾濫して施設まで浸水し、水槽の多くの魚が死んだこと。復旧に1カ月かかった」と振り返る。一方、遠足で訪れた園児らから感謝の手紙が届くのが「何よりうれしかった」と笑顔を見せる。

今後、オオサンショウウオ2匹は県外の展示施設に移動。淡水魚は県内の展示施設に移される予定。

高林館長は「最後に一人でも多く来館してもらえたらうれしい」と話している。月曜休館。

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