転入記念品のヨーグルト、予算不足で増額補正 人数増、飼料高騰で 茨城県小美玉市

小美玉市への転入者に贈られる「おみたまヨーグルト」=同市役所
小美玉市への転入者に贈られる「おみたまヨーグルト」=同市役所
酪農が盛んな茨城県小美玉市では新たに転入した住民に対し、市内産生乳を原料にしたヨーグルトを記念品として贈呈している。ところが本年度、当初予算では費用が不足。昨年12月の市議会定例会に関連費22万4千円を増額する補正予算案を提出し、可決された。背景には転入者が想定以上に増加したことと同時に、飼料高騰の影響という切実な問題もある。

市が、転入の記念品としているヨーグルト商品は、おみたまふるさと食品公社(同市山野)の「おみたまヨーグルト」(130ミリリットル)。1人につき5本が贈られる。同市では地場産生乳で作る加工品のヨーグルトが特産品になっており、2019年度から贈呈を始めた。

市によると、当初予算では、21年1~12月の転入者数(1681人)を基に、商品の調達費用なども勘案して関連費用を算出。ところが、22年の転入者数は11月末までに1985人となり、すでに前年1年間を上回っている。

転入者のうち、日本人は1311人で外国人は674人。前年と比較すると、日本人は89人下回っているが、外国人は393人上回った。要因について、事業を担当する農政課は「(新型コロナウイルスの水際対策が緩和され)昨年は入国できなかった技能実習生などが増えたとみられる」としている。

一方、ロシアによるウクライナ侵攻や円安などの影響による飼料価格の高騰で、生乳価格は上昇。同公社で製造するヨーグルト商品の価格も1本当たり10円高くなり、5本セットの調達額は550円から600円になった。

同課は「人口減対策が求められる中で、転入者が増えているのは喜ばしい。一方で、飼料高騰など酪農家にとって厳しい経済環境の影響で、ヨーグルトの調達費が増えた側面もあり、素直に喜べない面もある」と苦しい胸の内を明かした。

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