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うつろ舟奇談、新たな「兎園小説」発見 茨城・鹿島神宮大宮司が収集

新たに確認された「兎園小説」の中にある「虚舟の蛮女」=昭和女子大学図書館蔵
新たに確認された「兎園小説」の中にある「虚舟の蛮女」=昭和女子大学図書館蔵


茨城県ゆかりの江戸時代のミステリー「常陸国うつろ舟奇談」の新たな史料が確認された。「南総里見八犬伝」で知られる読本作家の滝沢馬琴らが書いた奇談集「兎園小説」で、11巻に「虚舟の蛮女」を収録。鹿島神宮(鹿嶋市)の大宮司家が収集し、1987年に鹿島神宮から昭和女子大学図書館(東京都)に他の史料と移管されていた。

これまでに天理大学図書館(奈良県)所蔵の兎園小説が確認されており、ほぼ同じ内容だが、女性の描写などに違いが見られ、研究者は「非常に貴重な史料」としている。

新たな兎園小説は、常陽史料館(水戸市)の学芸員が、今月24日から同館で開催する企画展に向けた史料調査の中で確認した。

今回の兎園小説は、鹿島神宮の大宮司家の鹿島則文氏(1839~1901年)が集めた江戸期の写本や刊本など含む約6900冊の「桜山文庫」の中にあった。同文庫は、昭和女子大学名誉教授の深沢秋男氏を介して同大学に移管された。

鹿島神宮は同文庫について「(則文氏が)私立文庫として収集したコレクション」と説明。いつ、どのような理由で兎園小説を入手したかについては「分からない」としている。

新たな兎園小説は20巻14冊全てそろい、11巻に「常陸国うつろ舟奇談」、最後に「琴嶺」と書かれる。琴嶺は馬琴の長男。馬琴のペンネームの「著作堂主人」と記された跋文(ばつぶん)もあり、そこには「天保4年秋7月28日」と記されている。

うつろ舟奇談研究の第一人者で岐阜大学名誉教授の田中嘉津夫氏は新たな兎園小説について、最も有名な史料の一つである天理大学図書館所蔵の兎園小説に描かれた円盤状の物体や女性の姿、「宇宙文字」と呼ばれる不思議な文字などと比較し、「女性の髪の毛や衣服などがより丁寧に描かれている」と繊細な描写の特徴を語った。

常陸国うつろ舟奇談を巡っては、2014年に見つかった史料の中でうつろ舟の漂着地として実在地名が確認された。漂着地は、鹿島神宮のある鹿嶋市と隣接する神栖市の「舎利浜」とあった。漂着地近くでの新たな史料となった。

新たな兎園小説は、常陽史料館の企画展「不思議ワールド うつろ舟」(今月24日~3月19日)で展示される。

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