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茨城・東海第2控訴審 原告、裁判長に辞退要請「原発訴訟で国側代理人」

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日本原子力発電(原電)東海第2原発(茨城県東海村)の安全性に問題があるとして住民らが原電に運転差し止めを求めた訴訟で、東京高裁の控訴審を担当する裁判長が、以前の原発関連訴訟で被告の国側代理人を務めた経歴があったとして、住民側が裁判長の辞退を申し入れたことが19日、関係者への取材で分かった。住民側は「公正な裁判進行に疑念を抱く」としている。

同高裁などによると、裁判長を務めるのは昨年9月に同高裁部総括判事に就いた永谷典雄氏。広島地裁所長や法務省大臣官房審議官などを歴任している。

住民側によると、永谷氏は1993年提訴の日本原燃の高レベル廃棄物貯蔵施設(青森県六ケ所村)事業許可処分取り消し訴訟=係争中=など、四つの原発関連訴訟で訟務担当として国側代理人を務めた記録が見つかった。東海第2原発の運転差し止めを命じ、住民側が勝訴した一審水戸地裁でも、国が原電とともに被告だった2012~18年、国側の立証活動に一時期携わったという。

訴訟は国基準の合理性を争点の一つとしているため、住民側は昨年12月26日、「公平性に疑問を持つ」と永谷氏に辞退を打診する文書を提出。永谷氏は「約束できない」と回答を避けたという。

原告団共同代表の大石光伸さんは「対戦側の監督が試合の審判を務めるようなもの」と例え、疑問を投げかけた。20日の回答期限までに辞退しない場合は、忌避など交代に向けた手続きを進めるとしている。控訴審第1回口頭弁論は31日に開かれる。

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