旧友の国と架け橋に 茨城・つくば出身の扇沢さん ジョージア派遣

中学時代の同級生のティムラズ・レジャバ大使(右)から自著をプレゼントされる扇沢舞さん=東京都千代田区
中学時代の同級生のティムラズ・レジャバ大使(右)から自著をプレゼントされる扇沢舞さん=東京都千代田区
ティムラズ・レジャバ大使(右)と懇談する扇沢舞さん(中央)、内田梨沙さん=東京都千代田区
ティムラズ・レジャバ大使(右)と懇談する扇沢舞さん(中央)、内田梨沙さん=東京都千代田区
■JICA海外協力隊 中学同級・駐日大使と再会

国際協力機構(JICA)の海外協力隊として、茨城県つくば市出身の扇沢舞さん(34)が初めてジョージアに派遣された。扇沢さんは、ティムラズ・レジャバ駐日ジョージア大使(34)と中学校時代の同級生で、出発前に卒業以来の再会を果たし、旧交を温めた。国際協力を通じた旧友との縁に、扇沢さんは「日本とジョージア両国の架け橋になりたい」と抱負。大使は「不思議な縁を感じる」と感慨深そうに話し、扇沢さんの活躍に期待した。

ジョージアはロシアとトルコに挟まれたコーカサス地域にある。横浜市で児童福祉関係の仕事をしていた扇沢さんは、首都トビリシで青少年活動に臨む。現地の児童自立支援施設で日本の生徒指導やカウンセリングを紹介するほか、いじめや暴力、薬物防止などの講演会を予定している。

扇沢さんは「施設職員やスクールソーシャルワーカーとしての経験を生かしたい。臨機応変にジョージアの状況に合わせたい」と意気込む。

出発前日の23日、扇沢さんは東京都内のJICA本部でレジャバ大使と面会した。2人はつくば市立手代木中の同級生という間柄。約18年ぶりの再会となった。

レジャバ大使は父親の仕事の関係で4歳の時に来日し、小学5年から中学3年までの約5年間を同市で過ごすなど日本で教育を受け、早稲田大を卒業した経歴を持つ。

日本の国際協力を通じた旧友との再会に、レジャバ大使は「不思議な縁を感じる」と感慨深い様子。中学時代の扇沢さんについては「すごく仲良く、いろいろお世話になった」と振り返った。扇沢さんは、レジャバ大使について「当時の面影がある。雰囲気のいい学年で、一緒に行事を楽しんだ」と思い出に浸っていた。

協力隊に関してレジャバ大使は「人同士の交流に関わる事業は、国同士のいい関係を育む上で大事。扇沢さんが接することで、ジョージアの子どもたちは日本のイメージを初めて形成するだろう。両国にとって意義の深い事業。できることは全て支援したい」と語った。

扇沢さんも「日本とジョージアの架け橋になりたい」と話し、ジョージア文化を紹介するレジャバ大使の自著を受け取った。

扇沢さんは共に現地で活動するもう一人の隊員、内田梨沙さん(33)=熊本県出身=と24日に現地へ出発した。期間は2年間。ジョージアは99番目のJICA派遣国となる。

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