茨城・霞ケ浦導水、17年ぶり掘削 石岡トンネルで再開 30年度までに完了へ

霞ケ浦と那珂川、利根川を地下トンネルで結ぶ「霞ケ浦導水事業」で、国土交通省は28日、工事が止まっていた「石岡トンネル」(延長24.7キロ)のうち、茨城県茨城町内の一部区間で掘削工事に着手した。同事業のトンネル工事再開は17年ぶり。トンネルは完成区間が計画の約3分の1にとどまっており、漁業者らによる建設差し止め訴訟などを経て、2030年度の完了に向けて事業が再び本格的に動き出した。
掘削工事が始まったのは、石岡トンネルのうち、茨城立坑(茨城町常井)から水戸立坑(水戸市河和田町)までの第1工区(延長3.8キロ)。茨城立坑から大型掘削機のシールドマシンで掘り進め、地下30~37メートルで直径約3.5メートルの導水路を整備する。工期は来年3月まで。
この日、国土交通省関東地方整備局は、茨城立坑の敷地内でシールドマシンの発進式を開いた。地元国会議員や県議、周辺首長、工事関係者らが工事の再開を祝ったほか、地下40メートルの立坑内に移動して現場を視察した。
式典では担当者が事業の概要を説明。あいさつで同整備局の広瀬昌由局長は「那珂川や利根川を結ぶ広域的なネットワークが形成される。各流域では治水対策プロジェクトも進んでおり、流域をつなぐ新たな価値が生まれる」などと、事業の利点を強調した。
地下トンネルの掘削工事は、06年1月に石岡トンネルの第2工区(延長5キロ)が完成して以来の再開となった。那珂川流域の漁協が国を相手に建設差し止めを求めた訴訟や、民主党政権下の事業凍結などの影響に伴い、一時ストップしていた。訴訟は18年に和解が成立している。
同事業は、霞ケ浦と利根川、那珂川を総延長45.6キロの地下トンネルで結び、水を行き来させる事業。霞ケ浦や千波湖の水質浄化のほか、那珂川や利根川の渇水対策、茨城県や千葉県などへの水道・工業用水供給を主な目的に、30年度までの完成を予定している。
同事業ではこれまで、石岡トンネルの第2、6工区(延長計7.4キロ)のほか、那珂川と桜川を結ぶ「水戸トンネル」(延長6.8キロ)、霞ケ浦と利根川をつなぐ「利根導水路」(延長2.6キロ)がそれぞれ完成。トンネル部分の約3分の1が工事を終えている。
訴訟の和解を受け、那珂川からの取水によるアユ稚魚の吸い込み防止策などが検証され、有識者による検討委員会は夜間の取水停止といった対策を示している。
掘削工事が始まったのは、石岡トンネルのうち、茨城立坑(茨城町常井)から水戸立坑(水戸市河和田町)までの第1工区(延長3.8キロ)。茨城立坑から大型掘削機のシールドマシンで掘り進め、地下30~37メートルで直径約3.5メートルの導水路を整備する。工期は来年3月まで。
この日、国土交通省関東地方整備局は、茨城立坑の敷地内でシールドマシンの発進式を開いた。地元国会議員や県議、周辺首長、工事関係者らが工事の再開を祝ったほか、地下40メートルの立坑内に移動して現場を視察した。
式典では担当者が事業の概要を説明。あいさつで同整備局の広瀬昌由局長は「那珂川や利根川を結ぶ広域的なネットワークが形成される。各流域では治水対策プロジェクトも進んでおり、流域をつなぐ新たな価値が生まれる」などと、事業の利点を強調した。
地下トンネルの掘削工事は、06年1月に石岡トンネルの第2工区(延長5キロ)が完成して以来の再開となった。那珂川流域の漁協が国を相手に建設差し止めを求めた訴訟や、民主党政権下の事業凍結などの影響に伴い、一時ストップしていた。訴訟は18年に和解が成立している。
同事業は、霞ケ浦と利根川、那珂川を総延長45.6キロの地下トンネルで結び、水を行き来させる事業。霞ケ浦や千波湖の水質浄化のほか、那珂川や利根川の渇水対策、茨城県や千葉県などへの水道・工業用水供給を主な目的に、30年度までの完成を予定している。
同事業ではこれまで、石岡トンネルの第2、6工区(延長計7.4キロ)のほか、那珂川と桜川を結ぶ「水戸トンネル」(延長6.8キロ)、霞ケ浦と利根川をつなぐ「利根導水路」(延長2.6キロ)がそれぞれ完成。トンネル部分の約3分の1が工事を終えている。
訴訟の和解を受け、那珂川からの取水によるアユ稚魚の吸い込み防止策などが検証され、有識者による検討委員会は夜間の取水停止といった対策を示している。