茨城・常陸太田市 広域避難、初の福島移動 東海第2事故想定し訓練


茨城県常陸太田市は28日、日本原子力発電(原電)東海第2原発(同県東海村白方)の過酷事故による市内全域避難を想定した訓練を実施した。災害対策本部運営や屋内退避訓練のほか、初めて住民らが実際に広域避難先の福島県へのバスでの移動を体験した。本格的な訓練により原子力災害時の対応手順検証や関係機関との連携強化、住民の防災基礎知識の向上を図るとともに、課題の抽出に取り組んだ。
訓練は東海第2原発で使用済み燃料プールの冷却水が漏えいし、国の指示に基づき、市民に屋内退避指示、さらに一時移転の指示をした想定。住民避難には同原発に近い地域の世矢、幸久、西小沢地区の住民約70人が参加した。
福島県会津美里町への広域避難は、高速道路を使わず片道約5時間。常陸太田市内の住宅の屋根や田畑に雪が積もる朝、住民18人がバスに乗り込んだ。宮田達夫市長は「避難に一番過酷な時期を選んだ。長い行程になるが、十分注意をして行ってきてほしい」と見送った。
バスには看護師も同乗。車内では、放射線の防護や人体への影響など原子力と放射線の基礎知識の講義を受け、指定された避難経路と、現地の約10カ所の避難所などを視察した。
上河合町の内桶一美さん(66)は「こちらから雪の状況で、こういう時期にできたのはよかったのでは。普段からの事前準備の大切さも感じた」と感想を話した。
被ばくを減少させる初動時の有効な防護処置の屋内退避訓練には、西小沢地区の住民が参加。西小沢公民館(内田町)を自宅に想定して避難し、台所や和室を使ってペットの避難や洗濯物の取り込み、窓などの目張り、エアコンや換気扇への対応などを体験した。
小沢町の矢萩正則町会長は「対策として目張りの知識はあったが、やってみると事前に準備して置くものが分かった」と話した。
一時集合避難は世矢小(真弓町)と旧幸久小(上河合町)の2会場で実施。自家用車などで避難できない市民が、避難先に向かうため一時的に集合。車椅子を使用している避難行動要支援者は、住民が支援しながら避難した。
大中町の里美ふれあい館では避難退域時検査訓練(スクリーニング検査訓練)を、折橋町の里美文化センターでは避難所運営訓練を実施した。
宮田市長は寒さや雪への対応、渋滞対策などの課題を挙げ、「放射性物質の拡散シミュレーションが出されたので、関係市町村との合同訓練も考えていきたい」と話した。
訓練は東海第2原発で使用済み燃料プールの冷却水が漏えいし、国の指示に基づき、市民に屋内退避指示、さらに一時移転の指示をした想定。住民避難には同原発に近い地域の世矢、幸久、西小沢地区の住民約70人が参加した。
福島県会津美里町への広域避難は、高速道路を使わず片道約5時間。常陸太田市内の住宅の屋根や田畑に雪が積もる朝、住民18人がバスに乗り込んだ。宮田達夫市長は「避難に一番過酷な時期を選んだ。長い行程になるが、十分注意をして行ってきてほしい」と見送った。
バスには看護師も同乗。車内では、放射線の防護や人体への影響など原子力と放射線の基礎知識の講義を受け、指定された避難経路と、現地の約10カ所の避難所などを視察した。
上河合町の内桶一美さん(66)は「こちらから雪の状況で、こういう時期にできたのはよかったのでは。普段からの事前準備の大切さも感じた」と感想を話した。
被ばくを減少させる初動時の有効な防護処置の屋内退避訓練には、西小沢地区の住民が参加。西小沢公民館(内田町)を自宅に想定して避難し、台所や和室を使ってペットの避難や洗濯物の取り込み、窓などの目張り、エアコンや換気扇への対応などを体験した。
小沢町の矢萩正則町会長は「対策として目張りの知識はあったが、やってみると事前に準備して置くものが分かった」と話した。
一時集合避難は世矢小(真弓町)と旧幸久小(上河合町)の2会場で実施。自家用車などで避難できない市民が、避難先に向かうため一時的に集合。車椅子を使用している避難行動要支援者は、住民が支援しながら避難した。
大中町の里美ふれあい館では避難退域時検査訓練(スクリーニング検査訓練)を、折橋町の里美文化センターでは避難所運営訓練を実施した。
宮田市長は寒さや雪への対応、渋滞対策などの課題を挙げ、「放射性物質の拡散シミュレーションが出されたので、関係市町村との合同訓練も考えていきたい」と話した。