昭和大と茨城県、鹿嶋市が協定 小山病院に2医師、4月から5年間派遣 

協定を結ぶ昭和大の小口勝司理事長と大井川和彦知事、田口伸一市長(右から)=県庁
協定を結ぶ昭和大の小口勝司理事長と大井川和彦知事、田口伸一市長(右から)=県庁


茨城県と鹿嶋市、昭和大は31日、心血管疾患に関する臨床研究や教育などを目的とした寄付講座の設置について協定を結んだ。同大は4月から、小山記念病院(同市)の循環器内科に常勤医2人を配置する。循環器内科を中心とする鹿行医療圏の救急患者受け入れ件数の増加など、診療体制の強化が期待される。期間は同月から5年間。

寄付総額は1億3250万円。うち、県が4418万円、市が8832万円を負担する。寄付講座では心血管疾患領域の専門医療人材育成や救急医療提供体制の構築、地域医療を担う医師などの養成と研修プログラム開発などの研究、教育を進める。常勤医2人の派遣に伴い、同病院の循環器内科医は4人体制となる。

県庁で開かれた協定締結式には大井川和彦知事と田口伸一鹿嶋市長、同大の小口勝司理事長が出席し、それぞれ協定書に署名した。同病院の小山典宏理事長も同席した。

「鹿行地域の医師確保は最重要課題で、土日や夜間の救急要請に対応することが悲願だった」と大井川知事。小口理事長は「地域医療に理解が深い医師を育てることも大学の使命。ますます協力体制を強めたい」と意欲を示した。

県医療人材課によると、鹿行医療圏の10万人当たりの循環器内科医数は4・5人と全国平均(10・3人)の5割を下回る状況にある。田口市長は「鹿行地域の医療体制は非常に厳しい。(寄付講座開設で)地元住民の安心につながる」と期待を寄せた。

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