茨城・ひたちなか発砲、組事務所の使用禁止 水戸地裁が仮処分決定

発砲事件があった暴力団事務所が入るビル=ひたちなか市北神敷台
発砲事件があった暴力団事務所が入るビル=ひたちなか市北神敷台
茨城県ひたちなか市北神敷台の指定暴力団極東会系の事務所で昨年6月、拳銃が発砲され組幹部ら2人が死亡した事件を受け、水戸地裁は31日までに、事務所の使用を禁止する仮処分を決定した。30日付。

市が事件発生後の昨年6月、同地裁に仮処分を申し立てていた。大谷明ひたちなか市長は「引き続き、市民の不安を払拭するため適切に対応していく」とコメントを出した。

暴力団事務所を巡っては、水戸市の指定暴力団山口組傘下の事務所で昨年1月、同組系幹部が射殺された事件で、水戸市が事務所の使用禁止を求めて同2月に仮処分を同地裁に申し立てた。同4月に市が事務所の土地と建物を買い取ることで和解が成立している。

ひたちなか市の担当者は、水戸市と同様の対応を取るかどうかに関し、「対応は今後検討していく」と述べるにとどめた。

事件から約8カ月が経過し、地域住民からは事務所の撤去を求める声も聞かれた。

近くに住む女性(60)は「事件当日は友人から『流れ弾が来ていない?』と心配された。不安になるので事務所を撤去してほしい」と訴えた。

暴力団事務所の半径700メートル圏内には幼稚園、小学校、中学校がある。下校時間には、中学生が事務所の前だけ走って通過する光景も見られた。

近くに住む60代女性は「小学生は通学路を変更したと聞いた。撤去されるものだと思っているが…」と声を潜めた。別の60代女性は「以前のビルはオープンな雰囲気だったのに、シャッターができるなどだんだん閉鎖的になり、怖いと思うようになった」と話した。

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