戦時中の主要道路発見 茨城・笠間の筑波海軍航空隊跡地 県調査開始

茨城県笠間市旭町の筑波海軍航空隊旧司令部庁舎の周囲に存在する地下通路など戦争遺構の全容を把握するため、庁舎と土地を所有する県は18日、本格的な調査を開始した。この日、庁舎北側を重機で掘削したところ、戦時中に施設の主要動線を担ったとされるコンクリート製の道路の一部が見つかった。調査の実施主体となる県営業企画課は「約80年前の建造物を確認できたことは驚き。今後、専門家を交えた場で保存の可否や活用法などを議論していきたい」と話している。
■幅4メートルコンクリート製
庁舎は航空隊発足時の1938(昭和13)年に建てられた。老朽化のため、2011年に取り壊しが決まったが、映画「永遠の0」のロケ地となって脚光を浴び、取り壊しを延期。現在は市が建物を借り受け、地域振興に取り組む「プロジェクト茨城」が筑波海軍航空隊記念館を運営している。
この日は、戦時中に米軍が撮った航空写真などを基に地下遺構があると思われる2カ所を調査。その一つ、庁舎北側を重機で掘削したところ、幅約4メートルのコンクリート製道路の一部が見つかった。記念館によれば、道路は戦時中に造られ、庁舎とほかの軍施設をつなぐ主要動線を担ったとされる。ほかに、門柱や防火水槽の枠なども見つかった。
地下通路に関しては、13年の庁舎公開に伴う事前調査のほか、元航空隊員からの聞き取り、軍が出した戦闘機基地要塞(ようさい)化の指令書、病院改修時(1960年)の青図(完成予想図)の資料などを基に、記念館側がその存在を推定。昨夏には、庁舎北側で簡易調査を行い、待避壕(ごう)として造られた地下室などを発見した。
今回の県の調査は、プロジェクト茨城に業務委託する形で、3月20日までの毎週土、日曜日、地下室を確認した庁舎北側を中心に実施される。終了後は、専門家や県、市などで構成する検討委員会が設けられ、構造物や遺品の持つ価値などについて意見を聴取。3月末をめどに最終報告書がまとめられる。
プロジェクト茨城代表で記念館の金沢大介館長(52)は「県が実施主体となる今調査の意義は大きい。施設の全容がさらに明らかになって専門家のお墨付きが加わり、恒久保存につながってほしい」と話した。
■幅4メートルコンクリート製
庁舎は航空隊発足時の1938(昭和13)年に建てられた。老朽化のため、2011年に取り壊しが決まったが、映画「永遠の0」のロケ地となって脚光を浴び、取り壊しを延期。現在は市が建物を借り受け、地域振興に取り組む「プロジェクト茨城」が筑波海軍航空隊記念館を運営している。
この日は、戦時中に米軍が撮った航空写真などを基に地下遺構があると思われる2カ所を調査。その一つ、庁舎北側を重機で掘削したところ、幅約4メートルのコンクリート製道路の一部が見つかった。記念館によれば、道路は戦時中に造られ、庁舎とほかの軍施設をつなぐ主要動線を担ったとされる。ほかに、門柱や防火水槽の枠なども見つかった。
地下通路に関しては、13年の庁舎公開に伴う事前調査のほか、元航空隊員からの聞き取り、軍が出した戦闘機基地要塞(ようさい)化の指令書、病院改修時(1960年)の青図(完成予想図)の資料などを基に、記念館側がその存在を推定。昨夏には、庁舎北側で簡易調査を行い、待避壕(ごう)として造られた地下室などを発見した。
今回の県の調査は、プロジェクト茨城に業務委託する形で、3月20日までの毎週土、日曜日、地下室を確認した庁舎北側を中心に実施される。終了後は、専門家や県、市などで構成する検討委員会が設けられ、構造物や遺品の持つ価値などについて意見を聴取。3月末をめどに最終報告書がまとめられる。
プロジェクト茨城代表で記念館の金沢大介館長(52)は「県が実施主体となる今調査の意義は大きい。施設の全容がさらに明らかになって専門家のお墨付きが加わり、恒久保存につながってほしい」と話した。