茨城・常陸太田の子供会と保存会 心込め大わらじ編む 鎌倉・高徳院に奉納へ

大人がわらの編み込みを行い、子どもたちがはさみで表面のけば取りなどを行った=常陸太田市松栄町
大人がわらの編み込みを行い、子どもたちがはさみで表面のけば取りなどを行った=常陸太田市松栄町
鎌倉大仏で知られる神奈川県鎌倉市の寺院・高徳院に3年ごとに奉納する「大わらじ」作りが19日、茨城県常陸太田市松栄町の松栄営農センターで行われた。松栄子供会(児童9人)の恒例行事。児童たちのほか、松栄大わらじ保存会(島根利幸会長)や同町会の大人たちが協力し、1日かけて大わらじ1組を作り上げた。

1951年、地域の産業祭に同子供会が大わらじを出品。産業祭後に「大仏さまに諸国行脚の際に用いてもらおう」と同院に奉納したのが始まり。それから同子供会が3年に1度、70年以上にわたって奉納している。2020年は前年の台風19号(東日本台風)で被災した同地域の「洪水被害からの復興」などの願いを込めて制作し、奉納した。

この日の作業で、子どもたちはまず前日に水をかけておいたわらを一握りほどに小分けにしてそろえた。大人たちは縄をよって作った長さ約20メートルの心棒を、鉄パイプや竹を使ってわらじの形に整えながら、子どもたちが小分けしたわらを丁寧に編み込んでいった。

半分ほど編みが進むと、今度は子どもたちが、はさみでわらじから飛び出たわらを切りそろえた。完成した大わらじは長さ約1・8メートル、幅約0・9メートル、重さは片方約45キロにもなった。

同市立金砂郷小4年のオーヘイガン真弥さん(10)は「わらを整えるのが大変だったけど、みんなで綱引きみたいに引っ張ったのが楽しかった。心を込めて作ったものを渡しにいくのが楽しみ」と話した。

島根会長は「コロナ禍で地域とのコミュニケーションが取りづらくなっている中で、地域の協力を得ながら奉納に向けて一つになって取り組めてよかった」と感想。高徳院への奉納は子供会を中心に3月4日に届ける予定。

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