茨城・笠間市議会 AI活用、発言を即字幕表示 システム導入

新年度予算案の説明がリアルタイムで表示された=笠間市議会議場の傍聴席
新年度予算案の説明がリアルタイムで表示された=笠間市議会議場の傍聴席
■多様な人々参加促す
茨城県笠間市議会は、多様な人々の議会参加を促そうと、定例会初日の2月28日、人工知能(AI)を活用した字幕作成・配信システムを導入した。本会議での議員らの発言がほぼリアルタイムで傍聴席のモニターに字幕表示されるほか、インターネットでも字幕付きで映像配信された。大関久義議長は「多様性を認め合う社会の進展を踏まえ、今回のシステムを導入した。誤変換もいくつか確認されたが、今後は動作状況を検証し、安定的な運用を図っていきたい」と話した。

同市議会はIT関連企業に業務委託し、2014年9月からインターネットで本会議の生中継を行っている。

新システムでは、議場の音声がAIを活用した機器で即文字化され、文字情報は傍聴席に設置されたモニターに転送して字幕表示される。並行して、議場の映像に字幕を加えたものをインターネットで配信し、議場外でもスマートフォンなどで視聴することができる。

導入を巡っては、多様な人たちの議会参加を促すため、昨年、聴覚障害者や手話通訳者などを対象にアンケートを実施。対応策として挙がった「手話通訳者の配置」「字幕作成システムの導入」を軸に検討を進めた結果、多様性の尊重とデジタル技術の活用の観点から字幕作成システムの導入に至った。

この日、行われた山口伸樹市長の新年度一般会計予算案の説明では、「総額377億7000万円」を「小学377億7000万円」などと誤変換するケースがいくつかあった。傍聴席でモニターを視聴した市内の男性(75)は「自分も誤変換を確認した。今後は少しずつ改善して、多様な人々の議会参加につなげてほしい」と要望した。

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