茨城・つくばで岡部さん講演 ヘルパー利用 生活に幅 障害ある息子の自立支援


重度の知的障害がある息子がヘルパーの助けを受けて自立生活を送る様子を映画「道草」で紹介された、早稲田大教授、岡部耕典さん(67)(社会福祉学)の講演会が2月18日、茨城県つくば市春日の筑波大春日エリアで行われた。12年間にわたり介助ヘルパーを使って自立する息子の例を挙げ「自由な選択肢の一つとして知ってほしい」と訴えた。
■「自由な選択肢の一つ」
息子の亮佑(りょうすけ)さん(29)は2002年、9歳の時から月30~150時間、ヘルパーを利用する。11年からは介助を受けてアパートで暮らしている。朝から夕方までヘルパーと一緒に行動し、1人ではできない外出も介助付きなら可能になり、生活の幅が広がった。家族とは週末に会う程度で、適度な距離を保ち良い関係を築いているという。
息子の自立について岡部さんは当初、周りからは「あり得ない」「本当は障害が軽いのでは」とも言われた。講演を通じて積極的に発信する中、映画の製作が15年から始まり、18年に完成。各地で上映され、昨夏にDVDも作られた。映画により理解が広まり「反応は良く、映像の力は大きい」と実感したという。
16年に相模原市にある知的障害者施設「津久井やまゆり園」で19人が殺害された事件では、重度障害者が施設を頼っている事情があらためて浮き彫りになった。
自立生活について「自分たちとは別の世界」と思う障害者の親が多いといい、「自立生活の重要な選択肢があることを知ってほしかった」と語った。
施設やグループホームになじまない障害者もいるとし、子どもの時からヘルパーになじませることで自立生活につなげやすいとも指摘した。
障害者権利条約に基づき、欧米では脱施設や自立が進んでいるとし「日本ではなかなか広がらないが、重度の人が介助ヘルパーを使うのは権利。若い親もぜひ介助利用と自立に取り組み、自治体も応援し、国が予算の支援をしていくことが必要だ」と強調した。
講演は「茨城に障害のある人の権利条例をつくる会」が主催。映画「道草」も上映された。
■「自由な選択肢の一つ」
息子の亮佑(りょうすけ)さん(29)は2002年、9歳の時から月30~150時間、ヘルパーを利用する。11年からは介助を受けてアパートで暮らしている。朝から夕方までヘルパーと一緒に行動し、1人ではできない外出も介助付きなら可能になり、生活の幅が広がった。家族とは週末に会う程度で、適度な距離を保ち良い関係を築いているという。
息子の自立について岡部さんは当初、周りからは「あり得ない」「本当は障害が軽いのでは」とも言われた。講演を通じて積極的に発信する中、映画の製作が15年から始まり、18年に完成。各地で上映され、昨夏にDVDも作られた。映画により理解が広まり「反応は良く、映像の力は大きい」と実感したという。
16年に相模原市にある知的障害者施設「津久井やまゆり園」で19人が殺害された事件では、重度障害者が施設を頼っている事情があらためて浮き彫りになった。
自立生活について「自分たちとは別の世界」と思う障害者の親が多いといい、「自立生活の重要な選択肢があることを知ってほしかった」と語った。
施設やグループホームになじまない障害者もいるとし、子どもの時からヘルパーになじませることで自立生活につなげやすいとも指摘した。
障害者権利条約に基づき、欧米では脱施設や自立が進んでいるとし「日本ではなかなか広がらないが、重度の人が介助ヘルパーを使うのは権利。若い親もぜひ介助利用と自立に取り組み、自治体も応援し、国が予算の支援をしていくことが必要だ」と強調した。
講演は「茨城に障害のある人の権利条例をつくる会」が主催。映画「道草」も上映された。