茨城・常陸太田市内の吹奏楽部 中高生、合同で技磨く 市民交流センター 部活の地域移行視野

コンサートに向けて合同練習に励む常陸太田市内の中・高校吹奏楽部員=同市中城町
コンサートに向けて合同練習に励む常陸太田市内の中・高校吹奏楽部員=同市中城町
茨城県常陸太田市中城町の市民交流センター・パルティホール(仲田元昭館長)は、市内の中・高校の吹奏楽部員の合同練習と発表の場を提供するプロジェクトに取り組んでいる。学校部活動の地域移行を視野に入れ、同ホールを吹奏楽活動の支援拠点の一つとして検討する試み。市民吹奏楽団の定期演奏会への参加も予定しており、生徒たちは「心を一つにしたハーモニーをホールに響かせたい」と練習に励んでいる。

「常(ひ)よっこブラス★プロジェクト」は同ホールと市民吹奏楽団、各学校の吹奏楽部顧問などの協力を得て企画。市内の中・高校の吹奏楽部に呼びかけ、中高生計38人が集まり、1月下旬から合同練習に入った。今月5日の練習ではテンポや強弱などをチェックしながら演奏を繰り返していた。

市立里美中2年の和地杏奈さん(14)は「部員が少なく、舞台に立てる機会と思って参加した。皆で演奏する曲を最後まで楽しく盛り上げられたらうれしい」、同中1年の大金樹里さん(13)は「普段の練習と大人数での取り組みに差を感じているが、自分自身の成長が早くなった気がしている」と明かす。県立太田一高1年の近野和眞さん(16)は「中学生との練習がよい刺激になっている」と話した。

市立太田中吹奏楽部顧問の長岡立大教諭(35)は「技術向上も大切だが、この瞬間やこのバンドでしか生まれない音楽を大事に指導している。生徒たちが楽しく演奏できて、聴く人の心に何かが届けられることを願っている」と生徒たちにエールを送る。

「常よっこブラス」は21日に日立市で開催される第7回さくらコンサートに参加。26日の常陸太田市民吹奏楽団第39回定期演奏会では、同楽団と今回のプロジェクトの協力者で東京佼成ウインドオーケストラのクラリネット奏者、太田友香さん(常陸太田市出身)とともにステージに上がる。

同ホールでは「学校の中の活動とリンクすることで地域により広がり、応援も大きくなるのでは。地域一丸となるきっかけになれば」と期待する。

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