若者の視点で地域課題解決へ 開発アプリ発表 茨城・鉾田出身の高校生から大学院生 高齢者の移動など支援

開発したスマートフォンアプリを発表する参加者=鉾田市鉾田
開発したスマートフォンアプリを発表する参加者=鉾田市鉾田
茨城県鉾田市出身の高校生や大学生らが開発したスマートフォンアプリを発表する「Wagamama Awards(ワガママ・アワード)」が14日、同市鉾田の市福祉事務所などで開かれた。若者視点で地域の課題解決を図るアプリづくりに取り組んだ成果を、オンライン上で披露した。

同アワードは、若者に地元の実情を知ってもらうとともに、デジタル人材の育成を図るために市が2月に開講したアプリ開発講座「ほこたワガママLab(ラボ)」の一環。講座では地域の課題を「ワガママ」と定義。全4回の講座で、高校生から大学院生までの9人が3チームに分かれ、「ワガママ」をかなえるアプリづくりに挑戦した。

高齢化が進む市の現状に目を付けたチームは、高齢者の移動の負担を軽減するため、市のデマンド型乗り合いタクシーなどを呼べるアプリを開発。鉄道を利用して市外の高校に通学する際、駅まで親の送迎に頼っていた学生らのチームは、家族で送迎時間を共有できる機能を付けた。さらに別のチームは、市の農業を支えるインドネシアからの技能実習生らが、宗教の戒律に沿った料理が食べられる飲食店を表示するアプリなどをつくった。

参加者はアプリ開発に当たり、住民への取材やアンケート調査を実施し、それぞれテーマを決めた。実習生向けのアプリを開発した水戸平成学園高1年、菊地海翔さん(16)は「チームで意見をまとめるのが大変だったが、地域にどんな課題があるかを知ることができた」と話した。

アプリ開発は、米マサチューセッツ工科大が提供するソフトウエア「App Inventor(エーピーピー・インベンター)」を活用。同講座を運営したまちづくり支援会社「イロドリ」(谷津孝啓社長)の顧問で、同大認定教育モバイルコンピューティング・マスタートレーナーの石原正雄氏や、ITエンジニア派遣業「Modis(モディス)」の技術者らが協力した。

市の担当者は「学生らが開発したアプリが実用できれば、市民の助けになる。実際に使えるよう、継続的な取り組みにしたい」と話している。

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