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新型コロナ感染者数の公表終了 茨城県 定点把握に変更 5類移行

新型コロナウイルスが5類に移行した8日朝、水戸駅ではマスクしない人の姿も見られた=午前7時45分ごろ
新型コロナウイルスが5類に移行した8日朝、水戸駅ではマスクしない人の姿も見られた=午前7時45分ごろ


新型コロナウイルスの5類移行に伴い、茨城県は8日、毎日続けてきた新規感染者数の公表を終了した。医療機関からの全数把握ではなく、定点医療機関の患者数から推計する形に変更し、週1回発表する。3年余の感染対策の運用がほぼ終了し、県が担ってきたコロナ患者の入院調整は病院間で行う体制に変更した。

感染者数は120の定点医療機関からの報告から推計し、18日以降、毎週木曜日に公表する。1週間分の感染者数と定点当たりの平均数を県ホームページに掲載する。数値は、中央▽ひたちなか▽日立▽潮来▽竜ケ崎▽土浦▽つくば▽筑西▽古河▽水戸市-の10保健所ごとに公表する。

県内では2020年3月17日、初めて同ウイルスを確認。この日までの感染者数は累計64万2582人となった。

5類移行で医療機関が提出していた発生届はなくなり、保健所が担ってきた共有システム「HER-SYS(ハーシス)」やファクスを介した感染者情報の処理は終了する。「2類」に基づく入院勧告・解除といった患者への法的な通知も不要になり、関係機関の負担は大きく減る。

病床を効率よく稼働するための入院調整は、病院間で調整する形に移行した。これまで対応してきた保健所は通常体制に戻る。県中央保健所(水戸市笠原町)の吉見富洋所長は「節目だが、終わりではない。県民が不安を持たないよう、相談対応など最善を尽くしたい」と話した。

県は全ての感染者を追わなくなるため、県内の感染実態の把握が困難になるとして、新たな情報収集についても検討する。県衛生研究所は陽性者の検体を集めたゲノム解析も継続し、新たな株にも備える。

20年6月から県が独自に運用してきた感染者との接触通知システム「いばらきアマビエちゃん」は運用を終えた。県によると、登録事業者は7万1559件、個人の登録者は延べ569万4427人となった。店頭などへの掲示を要請してきたQRコードや「感染防止対策宣誓書」の処分を呼びかける。最大で482カ所まで広げてきた薬局の無料検査も終了した。

節目となった8日、JR水戸駅では利用者の多くがマスクを着用。同県桜川市の高校2年、有本実由さん(16)は「周囲が着用しているので着けている。今後外せる場面が増えてほしい」と期待感を示した。

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