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コロナ5類移行 繁華街、再び活気 対面給食「うれしい」 茨城

マスクを外し乾杯する団体客=水戸市大工町
マスクを外し乾杯する団体客=水戸市大工町
テーブル席の仕切り板を外す店長の鈴木佐代子さん=水戸市大工町の「おんな焼き鳥 鶏センター」
テーブル席の仕切り板を外す店長の鈴木佐代子さん=水戸市大工町の「おんな焼き鳥 鶏センター」
約3年ぶりに再開したグループでの給食=那珂市東木倉
約3年ぶりに再開したグループでの給食=那珂市東木倉


新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが8日、季節性インフルエンザと同じ5類へ移行し、感染対策が個人や事業者の判断に委ねられるようになった。これまで制限を余儀なくされた茨城県内の繁華街の飲食店には活気が戻り、学校の対面給食も再開するなど、さまざまな場所で平常を取り戻す動きが見られたが、再流行に対する不安の声も聞かれた。

■明るい兆し
「乾杯」。複数の居酒屋が軒を連ねる水戸市の「みと楽横丁」では8日夜、客同士が顔を突き合わせてビールジョッキやグラスを交わす場面が見られた。

入居する焼き鳥店では同日、テーブル席の飛まつ防止のアクリル板を撤去。店長の鈴木佐代子さん(48)は「(アクリル板は)保管する。使わずに済めばいいが、再拡大に備えたい」と説明。テーブルの消毒、店員のマスク着用は当面続ける方針という。

JR水戸駅近くの宮下銀座商店街で居酒屋を営む篠原睦さん(38)は「コロナ禍前よりにぎやか」と笑顔。コロナ禍では売り上げゼロだった月もあったといい、「3年間は大変だった。今年はこの調子でいきたい」と客足の戻りを願った。

一方、同県那珂市の全14小中学校では、約3年ぶりとなる対面給食を再開。同市立五台小では、児童が複数のグループごとに机を向かい合わせ、小声で会話しながらの給食を楽しんだ。6年の萩谷心さん(11)は「顔を見ながら食べられてうれしい」と声を弾ませた。

■期待と不安
コロナ5類移行に伴い、感染防止対策を緩和する動きは、飲食以外でも進んだ。

同県小美玉市の茨城空港ターミナルビルでは、コロナ対策のガイドラインを撤廃。保安検査場などに設置していた検温器をビル入口へ移したり、休憩所の飛まつ防止の仕切りを撤去したりする対応を取った。

同ビルを管理する県開発公社ビル管理事務所の安部隆雄副所長(48)は「利用者増加を期待するが、変異株で再び行動制限がかかる不安もある」と複雑な心境を明かした。

水戸市内の薬局では、抗原検査キットの問い合わせが増加。店担当者は「診療費や手間を考慮すると、薬局で購入した方が便利と考える人が多いのでは」と指摘した。

■通常業務へ
約3年間にわたってコロナ関連の激務に追われた同市の県中央保健所はこの日、ほぼ通常業務に戻った。保健所はコロナ5類移行で、発生届の処理や患者への入院勧告・解除の通知、入転院の調整などの業務がなくなったためだ。吉見富洋所長(68)は「チームワークで乗り越えた。本当によくやってくれた」と職員たちをねぎらった。

県内の各保健所はコロナ禍初期、医療機関への患者搬送、クラスター(感染者集団)発生施設での検体採取などで活躍。重症化傾向が高いデルタ株の流行時には、自宅療養者の相談や受診調整に奔走した。

コロナ禍について、吉見所長は「保健所、社会全体で感染症への対応の仕方が身に付いた」と強調。今後のコロナ関連業務についても「県民の不安をできるだけしたい」と丁寧に相談に応じていく構えを示した。

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