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鳥インフル防疫強化 茨城県、手当増額や独自条例

消毒液をかける作業員(資料写真)
消毒液をかける作業員(資料写真)


高病原性鳥インフルエンザの発生が2022年末以降、茨城県内で相次いだことを受け、県は防疫業務に当たる職員の特殊勤務手当を全国で最も高い水準に引き上げる方針を決めた。大井川和彦知事は31日、「職員への負担が大きい」と説明した。鶏卵産出額が全国1位の茨城県では、昨年末から計約430万羽を殺処分、県職員延べ1万6千人が作業に当たった。県は殺処分の迅速化に向け、鶏舎内の設置基準を定めた全国初の条例も制定し、発生拡大を見据えた対策を強化している。

大井川知事は記者会見で、特殊勤務手当の条例改正案を6月7日開会の県議会第2回定例会に提出すると明らかにした。昨年末から県内の養鶏場などで鳥インフルが多発したことに触れ、「職員の負担集中に危機感を持っていた。手当をしっかり出すべき」と述べた。

手当は鳥インフルや豚熱などの家畜伝染病が拡大した際、消毒や殺処分などに従事した職員を対象に支給している。改正案では、従来の1日当たり「1520円の範囲内」から「4千円の範囲内」とし、職員の負担増に対応する。

県人事課によると、国の防疫等作業手当は同380円。全国の自治体ではこれに準じるケースが多く、改正すれば昨年4月調査時点で、全国的に最も高い支給額になるという。

県はこれまで、鳥インフルが拡大した2021年1月から段階的に支給額を増やし、昨年4月に1520円に引き上げた。金額について同課は「新型コロナウイルスの防疫措置と類似性が高い」として、コロナ対応の手当と同額とした。

家畜伝染病予防法は、殺処分など防疫作業は家畜所有者の責務としているが、大規模農場などで発生した場合、自治体が主体となり作業している実態がある。

県は昨年11月以降、笠間、坂東、かすみがうら、城里、八千代の5市町6農場で鳥インフル発生を確認し、計約430万羽を殺処分した。防疫作業には県職員延べ1万6千人が参加。市町村や協力団体、陸上自衛隊などを含めると、同3万2千人に上った。

5市町での特殊勤務手当は、坂東市が1日当たり500円、かすみがうら市と八千代町が同300円、笠間市が同200円と設定。城里町は定めがなく、時間外手当として支給した。

相次ぐ鳥インフルの発生を受け、県は今年3月、殺処分の迅速化に向け、鶏舎内の設備基準を設けた全国初の条例を制定。鶏を入れるケージの規格を定め作業効率を図るほか、事業者が策定する対応計画に自らが確保できる人員や資材を盛り込むことなどを求めている。

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