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《第106回全国高校野球選手権大会》茨城・霞ケ浦「よく戦った」 8強進出ならず 熱い声援 最後まで

1塁側アルプススタンドで声援を送る霞ケ浦の応援団=甲子園球場
1塁側アルプススタンドで声援を送る霞ケ浦の応援団=甲子園球場
滋賀学園戦で伝令を務め、仲間に声をかける霞ケ浦主将の市川晟太=甲子園球場
滋賀学園戦で伝令を務め、仲間に声をかける霞ケ浦主将の市川晟太=甲子園球場


夏の甲子園で8強進出を目指した茨城県代表の霞ケ浦は16日、滋賀学園と対戦した。1塁側アルプススタンドには同校の応援団や保護者らが陣取り、甲子園に再び校歌を響かせようと力いっぱいの声援で選手の活躍を後押し。惜しくも勝利は逃したが、盛大な拍手で選手たちの健闘をたたえ、「よく戦った」とねぎらった。

初戦では優勝経験がある強豪・智弁和歌山をタイブレークの末に撃破した霞ケ浦。甲子園で校歌を歌う目標を果たし、岡村守校長は「勇敢に自分の持っているものを出した勝利に感動した」とチームに賛辞を贈り、この日の試合前には「ベスト8という新たな夢に挑んで」と期待を寄せた。

吹奏楽部は部員57人に卒業生約10人を加え、音に厚みを増した応援ソングで選手たちを後押し。部長の犬田明香さん(17)は「連続勝利を狙えるよう応援したい」と意気込んだ。「ヒットや得点時の演奏に特に力を入れたい」とも語り、チームに安打が生まれた場面では、熱のこもった演奏で選手たちを鼓舞した。

試合は序盤から滋賀学園を追う苦しい展開となったが、応援団長の野口哲平さん(18)は「甲子園は奇跡が生まれる場所。初戦で強豪に勝ったように、今回もナインを信じて応援したい」と力を込めた。団員らは黄色のメガホンを突き上げながら「かっとばせー」「勝つぞ」と声を張り上げた。

しかし、2-6で迎えた九回裏、最後の打者が打ち取られると、スタンドの応援団から「ああー」と悲鳴が上がった。

試合後、1塁側アルプススタンドへ一礼に訪れた選手たちに惜しみない拍手を送った生徒や保護者。森田瑞貴(3年)の母、志寿恵さん(55)は「校歌も歌えたし、ここまで連れてきてもらったことに感謝したい。息子にはお疲れさまと言いたい」と大舞台で躍動した選手たちをねぎらった。

野口さんは茨城大会からの歩みを振り返りながら、「このメンバーを信じてきてよかった。ありがとうという気持ち」とかみしめるように語った。

■主将・市川 健闘支える 伝令やベンチ、仲間鼓舞

滋賀学園に2-6で敗れた霞ケ浦。これまでの健闘を陰で支え続けてきた一人が主将の市川晟太(3年)だ。明るく積極的な声かけと決して諦めない姿勢が、いつしかチームに欠かせない存在になった。この日も選手たちを励まし、最後まで主将の大役を全うした。

チームではこれまで何度も主将が入れ替わり、自身も2度交代した。過去の交代を「キャプテンとしての役割が果たせなかった」と振り返るが、母の明香さん(42)から「全力で明るくやってみれば」と助言され吹っ切れたという。

3度目の主将を任されたのは茨城大会直前。「感謝の気持ちで、最後はビシッと決めよう」。試合では伝令やベンチでチーム全員を落ち着かせ、明るく元気に鼓舞していくことを心がけた。初戦の智弁和歌山戦でも「焦らないで向かっていこう」と冷静に呼びかけ、緊迫したタイブレークでも「最後は気持ちが強い方が勝つんだ」と明るく励ました。

そんな主将に、選手たちの信頼も厚い。入学当初から共に練習する羽成朔太郎(同)は「相手に流れが行きそうな時に声をかけてくれるので助かる。安心できる存在」と話す。

16日の滋賀学園戦では5点を追う九回始め、「最後の一球まで全員で戦っていこう」とチームを奮い立たせた市川。惜しくも勝利には届かなかったが、「校歌を歌うことができた。ここまで連れてきてくれた先生や選手にありがとうと伝えたい」と語り、甲子園を後にした。



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