ペリリュー島戦没者悼む 水戸で慰霊祭 集団埋葬地、説明も 茨城
太平洋戦争中にパラオのペリリュー島で命を落とした陸軍歩兵第二連隊(水戸二連隊)とペリリュー島守備部隊の戦没者合同慰霊祭が23日、茨城県水戸市見川1丁目の護国神社で開かれた。全国から集まった遺族や戦友、崇敬者ら約50人が戦没者を追悼したほか、同島で見つかった集団埋葬地について理解を深めた。
ペリリュー島は1944年9月から11月にかけて、日米両軍が壮絶な戦いを繰り広げ、日本側は約1万200人が命を失った。同慰霊祭は日本軍が11月下旬に玉砕したことから、毎年同月23日に開いている。
全体集会で、同慰霊祭をを主催する水戸二連隊ペリリュー島慰霊会は、約3年間不在となっていた会長に、長年事務局長を務めてきた影山幸雄さん(79)の就任を全会一致で承認。後任の事務局長には茂木正さん(73)が就いた。
影山新会長は「遺族のため、戦没者のために頑張りたい」とあいさつ。同慰霊会の要望を踏まえ、パラオでの遺骨収集に関する予算の倍増方針を厚労相が示したことに触れ「遺骨収集は遺族や国民のため。埋葬されている1086柱を早急に収容したいと要望した」などと述べた。
集団埋葬地の空撮動画が上映され、現地の状況や発掘場所の説明も行われた。9月に現地を訪れた同慰霊会の市原直理事は「遺骨は50センチくらい掘ると出てくる。1体ずつ担架に乗せ、きれいに並べてある」などと状況を説明した。このほか本殿で慰霊祭も行い、戦没者をしのんだ。