《25年度予算案》茨城・日立市 物価・復旧に重点 医療デジタル化 一般会計761億円
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茨城県日立市は26日、2025年度当初予算案を発表した。一般会計は761億3000万円で前年度当初比1.8%増。物価高騰対策や23年の台風13号に伴う豪雨災害からの本格復旧などに重点を置き、日立製作所と連携した「共創プロジェクト」で地域医療のデジタル化を推進する。
一般会計は児童手当の拡充や常陸多賀駅周辺地区整備事業の本格化などで増額し、過去2番目の規模。会見で小川春樹市長は「新年度を経営改革元年と位置づけ、組織改編を含め、未来へつなぐ持続可能なまちづくり予算とした」と述べた。
災害復旧は豪雨災害で市役所浸水の原因となった数沢川など氾濫6河川の治水対策事業に4億5000万円を計上。地方創生や物価対策は市立保育園と認定こども園11園で4月からご飯などの主食を提供し、18歳以下の子どもがいる世帯には4400円分のお米券を配る。
共創プロジェクト関連には6000万円を充て、今春から中学生以下を対象に小児科医などによる夜間・休日オンライン診療や24時間チャット相談を始める。市民の健診・診療データを集めて健康課題を把握し、アプリを使った疾病リスクの予測も行う。庁内の担当組織は4月から共創プロジェクト推進本部へ格上げし、体制を強化する。
このほか、小規模に間伐を繰り返して森を育てる「自伐型林業」を推進するため、作業道を整備する事業者への補助制度を設ける。減少傾向にある漁業就業者を確保しようと漁業法などを学べる「ひたち漁師塾」も立ち上げる。
特別会計を含む総額は同1%増の1268億3000万円。一般会計の歳入で、市税は国の定額減税終了などで3.9%増の270億3000万円を見込む。