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『かりそめ天国』久保田直子アナ、腐っていた若手時代の“飢えとくすぶり” 30代後半での開花に「遅咲きで良かった」

『かりそめ天国』進行役5年目を迎えたテレ朝・久保田直子アナ(撮影=逢坂聡)(C)oricon ME inc.


 「今が人生で一番楽しい!」。そう生き生きと語るのは、テレビ朝日・久保田直子アナウンサー。入社13年目にして初のバラエティ『かりそめ天国』抜擢時には「遅咲きアナ」とも言われたが、先月40歳を迎えた彼女は「遅咲き、おすすめです」と微笑む。しかし入社当初は、情報リポーター、音楽番組や料理番組のアシスタント、スポーツ中継など幅広く担当するも、同期や後輩がゴールデン帯で華々しく活躍する中、“腐りまくり”だったという。「若手時代は怒られNo.1だった」と振り返る久保田アナに、“遅咲き”の利点を聞いた。



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■「なんで私には仕事がないんだろう?」同期や後輩に嫉妬し、腐りまくっていた若手時代



――改めて、アナウンサーを目指したきっかけを教えてください。



初めに意識したのは、高校2年生の時です。1年間休学をしてフランスに留学したので、同級生に1年遅れで卒業となったんですね。先に卒業してしまう同級生の送別会の司会をすることになって、何か目立ちたいとかではなくて、とにかく楽しい会にしたいという思いでマイクを握った時に、「私これかもしれない!」と、“ビビビッ”と全身に電流が走ったんです。それがきっかけだったかなと思います。



――そこから難関とされるキー局アナウンサー採用試験に合格し、今年で入社17年目を迎えられましたが、振り返っていかがですか?



20代の頃は特に、何をどう頑張ればよいかもわかりませんでした。だから仕事も上手くいかないし、プライベートにも影響するし、寝坊はするし、アナウンス部で“怒られNo.1”ってくらい、よく怒られていました。でも自分ではちゃんとやっているつもりでいたので、同期や後輩に次々と仕事が回っていく中で、「なんで私には仕事がないんだろう?」と思ったことが何百回もありました(笑)。若手時代は本当に腐りまくりでしたね。それでも、「このままじゃ終われない」という悔しさだけでなんとか続けていました。



――どこかでターニングポイントがあったのでしょうか?



一番大きく影響を受けたのは、情報番組『モーニングバード』ですね。メインキャスターの羽鳥慎一さん、赤江珠緒さんがスタッフに敬意を持ってコミュニケーションをとっているところとか、準備の仕方、プロとしての姿勢を目の当たりにして、そこから意識が変わった気がします。羽鳥さんは、いまだに私が出演したテレビを観てくださってメッセージをくれるんですよ。「すごくいいと思う。このままがんばれ!」って。フリーの方だから、同じ会社の後輩でもないし、育てる理由も優しくする義務もないのに、ずっと!私だけでなくて、ほかのアナウンサー達にも声をかけてくれるんです。



■マツコ&有吉のおかげで人生が楽しくなった「個性は自分ではなく人に見つけてもらうもの」



――羽鳥さんとの出会いが、『かりそめ天国』の進行役抜擢に繋がっていたのでしょうか。



そうかもしれないですね。そしてマツコ・デラックスさんと有吉弘行さんとの出会いも、とても大きかったです。番組の初回収録後にアドバイスをいただいて、私の中でアナウンサーとして“こうあるべきだ”と思って作っていた自分が全て解放されて、初めて全面的に肯定された気がしたんです。それからありのままの“本当の私”を出せるようになって、人生が楽しく感じられるようになりました。



――番組の中でも、久保田さんの気取らないキャラクターが視聴者の共感を呼んでいるように感じます。



マツコさん、有吉さんのおかげで、家が汚いとかすごいずぼらな部分とか、それまで世の中の人様に言えるようなことじゃないと思っていたことも隠さなくて良くなったら、自分だけじゃなくて周りの反応も変わったんです。「観ましたー!あれわかりますー!(笑)」と色んな方が気さくに声をかけてくださるようになって、とても嬉しかったですね。



――前に出過ぎずも、個性が求められるアナウンサーの立ち位置は難しいのでは?



よく新人アナから「どうやって個性出せばいいですか?」と聞かれるんです。でも個性って、自分が見つけるものではなく人に見つけてもらうものだと思っています。私も若手の時は同じだったのでわかるんですけど、こういう風に自分を売っていきたいと考えるのは、“自分がそうなりたい”理想像なので、本当の自分の姿じゃないことがほとんどですよね。作るということは決して悪いことではないですが、どこかで無理が生じて自分を見失ってしまいます。だから、マツコさんと有吉さんが見つけてくれたように、変に作らずにありのままに自分を出して、結果“自分から出ているもの”が個性なのかなって思います。



――昨今はアナウンサーにタレント性やバラエティ要素が求められる側面もあるかと思いますが、久保田さんが思う女性アナウンサーの在り方とは?



今は色々なスタイルがありますよね。うちの弘中アナみたいに。彼女はテレビ朝日のアナウンス部に風穴を開けた存在だと思います。正直に発言する姿が新鮮で、最初は衝撃を受ける部分もありましたが、そこには覚悟も必要で。純粋にすごいなぁ~と感じますし、じゃあ自分には何ができるのかを考えないといけないな、と気づかせてくれた。彼女がいたからこそ、それぞれが自分なりのスタイルを見つけようとしている気がします。



■「歳を重ねるごとに楽しくなっている」“年齢という概念”を忘れさせる大下容子の存在



――今すごく自分らしく楽しくお仕事をされている印象がありますが、やはり若手時代の苦悩があったからこそなのでしょうか?



そうですね。今年、ありがたいことにリオに続いて東京五輪の中継を担当させてもらいました。リオ五輪の時は、準備や取材で余裕がなく、ヒィヒィ言ってたんですけど、東京の準備や中継をやる時に、“あの時の経験が生きている”と感じることが何度もありました。「あ!これ『かりそめ天国』のとき。あ!これはゴルフ中継のとき。これは後輩の指導する時に!」など、今までの集大成のような感じで。当時は、“なんで私こんな大変な思いしなきゃいけないんだろう…”と思っていたことも、点と点が繋がって、“あー全部経験しといてよかった”と思えたんですよね。ソフトボールの上野由岐子投手が、「過去の自分が全て助けてくれているんです」とおっしゃっていて、「わかるーー!!」って、身を持って強く共感しました。



――真摯に努力を積み重ねてこられてきたからこそのお言葉ですね。



先日、先輩に「久保田はずっと飢餓状態」だと言われたんです。“もっとやりたい。もっと仕事欲しい”と飢えがあったから、何かポンと仕事をもらった時に、馬力が出た。その飢えの気持ちがないと、もらった仕事も大事に思えなくなるからって。適度の飢えとくすぶりという経験が、自分の大きな目標の1つであった東京五輪できれいに重なったんですよね。だから、きっとここから経験する色んなものも、誰かに見られていなくても、いつか何かに繋がるんじゃないかなと思っています。もちろん若いからこそできることもありますけど、私は遅咲きで良かったなーと思いますし、“遅咲き”すごくおすすめです、ウフフ。



――素敵な年齢の重ね方をされていますね。



本当に歳を重ねるごとに楽しくなってる気がします。仕事もプライベートも!一番身近なところに大下容子さんがいますから。私たち後輩は大下さんがどれだけ努力しているか見ていますけど、もうアスリートですよ。アナウンサー界のイチローです。体作るし、絶対休んだことない。それはもう本当に、日々の弛まないあらゆる努力です。だけど、自分にはとても厳しいけど、人にはとても優しくて。キャリアを重ねても日々進化し続ける先輩の姿を見させてもらっているので、自然と年齢という概念は忘れますよね。同じことは私にはできないですけど、少しでもそこに近づける自分のやり方に落とし込んで、「あー、40になっても50になってもまだもがいてるねー」と言われつつも、「でもなんか3年前と変わったよね」と言われるような仕事をしていきたいです。





(文=神谷内航平)

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