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「ウルウルおめめが可愛い!」雪の結晶でおめかししたエゾモモンガに反響、北海道に移住した写真家がマイナス20度で撮った世界

雪の結晶でおめかし、大きな目が可愛らしいエゾモモンガ(平井葉月さんインスタグラムより)


 真っ白な雪が積もる極寒の北海道で、懸命に生きる野生動物はたくましく、そして可愛らしいもの。なかでもフォトグラファーの平井葉月さん(@hazuki.h.photography)が撮影した「雪のヘッドドレスでおめかし」したエゾモモンガには、「ウルウルのおめめが可愛い!」とInstagramで大きな反響があった。愛知県から北海道に移住し、薬剤師として働くかたわら、野生動物の撮影に勤しんでいるという平井さん。エゾモモンガ撮影の苦労から、移住後の影響までを聞いた。



【写真】「ギャップがすごい…!」可愛いふりして時速60キロ、意外にワイルド?エゾモモンガの超絶キュートな写真



■小さな体の5%が瞳? 多くの人を魅了したコロコロした可愛らしい姿



――Instagramに投稿された「雪のヘッドドレスでおめかし」したエゾモモンガは、とても可愛らしく、たくさんの「いいね」が集まっていました。反響について、どう感じていますか?



 「驚きと同時に、エゾモモンガの人気を再確認するきっかけになりました。全身が写っていない写真でしたが、エゾモモンガの魅力がたくさんの方に伝わったようでとても嬉しいです」



――こちらは、どのような状況、場所で撮影されたのでしょうか?



 「昨年の1月下旬ごろ、北海道のとある林の中で撮影した一枚です。その日は大粒の雪が降っていて、しんしんと積もっていく状況でした。エゾモモンガは動き回っていることが多い動物ですが、枝に座ってご飯を食べる短時間にも頭に雪が積もっていくのを見て、『雪の結晶とモモンガを写したい!』と考えました。試行錯誤の結果、大きな瞳と雪を同時に写すことができてとても嬉しく思います」



――まるでおとぎ話のような、すごく可愛らしい写真です。エゾモモンガは本州ではなじみのない動物ですが、どんなところが魅力だと思いますか?



 「なんといっても、その大きな瞳だと思います。体長約16センチに対して約8ミリ、割合で言えば5%とかなりの大きさです。溢れてしまいそうな大きな瞳とコロコロとした可愛い姿、お行儀良くご飯を手で持って食べる愛らしい仕草が、私を含めたくさんの人たちを魅了しているように感じます」





――素晴らしい写真ですが、撮影の際にはご苦労も多そうですね。



 「エゾモモンガは基本的に木の上で生活する動物ですが、最大の特徴が『飛んで移動する』という点です。木から木へ、時には50メートルという長い距離を、飛膜を広げて滑空して移動します。その移動速度は時速60キロになることも!」



――あんなに可愛らしくてコロコロしているのに、そんなに速いんですね!



 「そうですね。木々を飛び回るモモンガを撮影しようと、コースを読み、観察し、その一瞬をじっと待つ。待つのはつらいですが、その分撮影できた時の喜びはひとしおで、何度もチャレンジしてしまいます」



――自然の中で動物を撮影する際、なにか気を付けていることはありますか?



 「野生動物を撮影するときは、急な動きはしないよう注意しています。私たちに敵意がなくても、相手は過酷な自然で生きる動物。急にカメラを構えたり走ったりすると、動物たちは攻撃されるのかとびっくりして逃げていってしまいます。もしこちらの存在に気づかれたら、目線を外さずゆっくりとカメラを構えて静かにシャッターを切る。時には、動物が存在を許してくれるまでカメラは構えず、風景の一部になることに集中して動かない。忍耐が必要になりますが、焦らないことが一番大切だと思っています」



――北海道の自然の中、しかもこの時期の撮影で動かないで待つのは、とても大変そうですが…。



 「北海道のイメージといえば、やはり『寒い!』でしたが、想像以上の寒さでした。特に1月2月のマイナス20度を下回る日に外で撮影していると、手足の感覚は5分でなくなるし、息をすれば鼻の中が凍っていく感覚があります。しかし、その寒さのお陰で美しいダイヤモンドダストやヴィーナスベルトを見ることができます。寒い土地ならではの自然現象と、北海道の広大な大地や美しい丘陵とのコラボレーションは本当に魅力的だと思います」



――平井さんは愛知から、そんな寒い北海道に移住されたそうですが。どんな経緯が?



 「もともと本州で風景写真の撮影に熱中したことがきっかけで、愛知県を中心に絶景を撮影していました。そんななか訪れた北海道で衝撃を受けたんです。どこを見ても絶景が広がり、その絶景の中で野生動物が生きている。日本であって日本ではない感覚にすっかり虜になってしまいました。2017年9月に初めて北海道を訪れて、2018年の12月には移住していました」



――実際に移住して、撮影活動やご自身の感性に影響は?



 「私の住む上富良野町は人口1万人あまりのとても小さな町で、車で10分も走れば畑が広がる、いわゆる田舎。でも、これが私からすると『10分で撮影場所に行ける立地』ということになります。今までは土日の休みしか撮影できませんでしたが、朝起きて窓の外を見て、霧が出ているから仕事の前に少し撮影に行こう。そんなぜい沢が許される生活になりました。そのお陰で、環境や天候に常にアンテナをはる癖がついて、自然に敏感になったように思います」



――コロナ禍もあり、田舎への移住に憧れる人が増えています。平井さんの場合、撮影活動以外の普段の暮らしで、移住して良かったこと、大変なことは?



 「私は愛知県名古屋市(人口約230万人)から北海道の上富良野町(人口約1万人)というところに引っ越しましたが、便利な場所での生活に慣れていたため、田舎で生活する不便さが想像できず初めはかなり不安でした。しかし、住んでみると不便どころか逆に便利! 郵便局も役場も家から5分だし、ネットで注文すれば田舎でもなんでも買うことができます」



――なるほど、考え方を変えれば、たしかにそうです!



 「はい。何よりも、朝起きて窓の外を見れば十勝岳連峰が鎮座し、高い建物がないので空はとても広い。夜になればコンビニから天の川が見えるし、家の駐車場をキタキツネがパトロールしていく。自然の一部のようなこの町での生活が大好きになりました。町にはファミレスもファーストフード店もないけれど、『なにもない』が私にはとても心地よく、動物や自然に敏感になって溶け込んでいく、そんな気がしています」



――では最後に、読者に伝えたいことがあればお願いします。



 「一度の人生、後悔したくないと移住した北海道で、薬剤師としてフルタイムで働く傍ら自然風景や野生動物を撮影しています。写真はSNSにアップしていますので、北海道のかわいいを見てもらえると嬉しいです」

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