【エンタメ総合】
「全部さらけ出さなくてもいい」杏、20年の芸能活動で自己発信への想い 母としては“小1の壁”に不安も

『アダムス・ファミリー2』で声の出演をする杏 撮影:筒井翼


 2021年、芸能活動20周年の節目を迎えた杏。女優として、日曜劇場『日本沈没―希望のひと―』など話題作に出演した一方、公式YouTubeチャンネル「杏/anne TOKYO」やInstagramを開設し、新たな活動にもチャレンジした。そんな杏が新作映画では、1人立ちしていく思春期の娘を見守る母親の声を演じる。彼女自身3児の母として子育てするなかで、作品を通して感じた子育てへの思いや、20年の芸能活動で気づいたことを聞いた。



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■“小1の壁”に不安、子育てに感じる楽しみとプレッシャー「見せられる背中を持っていないと」



――『アダムス・ファミリー2 アメリカ横断旅行!』で、前作に次いで母親・モーティシア役ですが、臨まれる前にはどんなことを意識されましたか。



【杏】前作では1つ1つ話し合いながら役を作り上げていったのですが、今回はもう少し楽しみながら収録できたなという印象がありました。今回主軸となるのは、(娘の)ウェンズデーの心の動き。親としては、彼女の行動を心配したり、見守ったりしながら寄り添う気持ちを大切に表現しました。



――母親目線だと、子どもがどんどん成長していく姿を見るのも楽しみの一つですね。



【杏】私はいま子育て中ですが、まだ娘・ウェンズデーよりもずっと年が下なので、子どもたちが単独で行動することは想像できないんですよね。ただ、この作品を通して子どもたちの成長する姿や、葛藤や悩みなど、疑似体験できたような気がします。



――親離れというのは嬉しいものなのでしょうか。それとも寂しさを感じますか。



【杏】「ちゃんとできるのかな」という不安は常にありますね。近々で言えば、上の子は小学校入学目前なので、“小1の壁”(子どもが小学校に上がると保育園時代に比べて、仕事と子育ての両立が困難になること)みたいなことも聞こえてきますし、子ども同士の人間関係なども心配なところはあります。自分自身もしっかりと子どもに見せられる背中を持っていないといけないなという思いもあります。もちろん楽しみな部分もありますが、責任感やプレッシャーというのも感じてくると思います。



――子どもたちが自立してきているなと感じる瞬間はありますか。



【杏】子どもたち3人だけですごろくで遊んでいる時に、自分たちでルールを決めて守っている姿を見ると、自分たちの世界ができてきているなと感じます。あと私は幼少期から漫画が大好きだったのですが、子どもたちも1人で漫画を集中して読んでいる姿を見ると、成長したなと思います。



――女優、声の芝居、さらに2021年は公式YouTubeチャンネルやインスタグラムも開設されましたね。



【杏】以前からエッセイなどを何冊か出させていただいたことがありましたが、アウトプットしたい欲が結構あるんです。もともとオタク気質で、自分の好きなものを「これが好きなんです!」と言いたい願望があったのですが、自粛期間にSNSに歌の動画を投稿したら「もっと歌って」とか「聞きたい」という声をいただいたので、チャンネルを作ってやってみようかなと(笑)。



――コロナ禍で、ライブや舞台などリアルな表現の制約が出てきたというのは、杏さんにとっても大きな影響がありましたか?



【杏】もちろん大変な世の中になったなという実感はあります。一方で、ナレーションの仕事も自宅からリモートで行うなど、制約も多いですが、逆に表現の広がりを感じることもあります。ネットワーク上での仕事の広がりも感じています。特に私の周りの子育てママ世代も、ネット上でいろんな感情を共有できたり、働く母親たちがリモートワークによって、より社会に参加しやすくなったという声も聞くので、マイナスばかりではないと思います。



――SNSは自身の思いをストレートに伝えられるという良さがある反面、誹謗中傷などが直接飛んでくるなど、諸刃の剣のような面もありますが。



【杏】いろいろな考えがあると思いますが、私はただ「歌いたいなあ」みたいな動機だったので(笑)。でもちゃんとしたやり方をすれば純度の高いものになると思うんです。SNSを始めたからといって、何かについていちいちコメントを出さなくちゃいけないとか、全部をさらけ出さなきゃいけないというわけではないですしね。出す側も受ける側も自分で選ぶ自由があるというのは、最近より明確になってきたと思います。良いと思ったものを断片的に散りばめて、それを俯瞰で見ると点描になって、自分なりの“私はこうですよ”になればいいなと思っています。



■「女優はやらないと思っていた」芸能活動20年、一貫して感じた「作り続けたい」という欲求



――先ほどは母親・モーティシアの視点で語っていただきましたが、娘・ウェンズデー目線だとどんな印象が?



【杏】私はウェンズデーの年齢くらい、15歳からすでに仕事をしていました。彼女の持つモヤモヤみたいな部分には早くから風穴があいていたので、そこまで鬱屈とした感情はなかったのかなと思います。ただ、一歩社会に出ると、実は“学生”という箱の中に入っているような時期というのは、とても貴重な時間だったのかなと思うことがあります。



――仕事を始めた当時から、女優さんになろうというハッキリとしたビジョンをお持ちだったのですか?



【杏】まったくなかったです。たまたま背が伸びたので、モデルさん…みたいな形で進んでいったのですが、そのときは、女優さんは絶対やらないだろうなと思っていましたから(笑)。それがひょんなことから初めて、いますごく楽しくできているから不思議ですよね。



――出会いや縁を大切にしてきた20年なんですね。



【杏】そうですね。これまでこの仕事は1人じゃできないと思ってきたのですが、自粛期間中さらにその思いは強くなりました。誰かに何かを与えてもらって初めて成立するお仕事なので、とても恵まれているなと感じています。



――21年目、どんな目標を?



【杏】雑誌にしても、エッセイにしても、歌にしても、演技にしても、モデルにしても、何かを作って伝えるという部分で共通しています。“何かを作る”という作業が大好きなので、今後もジャンルにこだわらず作り続けていきたいです。



――2022年最初の映画である『アダムス・ファミリー2 アメリカ横断旅行!』の見どころを教えてください。



【杏】子ども向けというイメージがある作品だと思いますが、劇中、実は親世代さらに私の親世代に馴染みのポップスが流れるなど、世代を超えて楽しんでいただける作品だと思うので、たくさんの方々に観ていただきたいです。





(取材・文/磯部正和)

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