【映画】
「第77回カンヌ国際映画祭」授賞式、名誉パルムドール受賞のジョージ・ルーカス登壇 役所広司がサプライズ登場

フランシス・フォード・コッポラから名誉パルムドールを受け取ったジョージ・ルーカス Photo by Stephane Cardinale - Corbis/Corbis via Getty Images


 フランスで現地時間14日から開催された世界三大映画祭の一つ「第77回カンヌ国際映画祭」が25日に閉幕。コンペティション部門の各賞が発表された授賞式では、名誉パルムドールを受賞したジョージ・ルーカス監督が登壇し、盟友フランシス・フォード・コッポラ監督からトロフィーを受け取った。また、最優秀女優賞のプレゼンターとして、昨年の同映画祭で最優秀男優賞を受賞した役所広司がサプライズ登場した。



【写真】三鷹の森ジブリ美術館に展示された名誉パルムドールのトロフィー



 ジョージ・ルーカス監督は、1971年にカンヌの監督週間部門で初公開された長編デビュー作『THX 1138』から「スター・ウォーズ」や「インディ・ジョーンズ」シリーズなどでの映画界への貢献が認められ、名誉パルムドールを受賞。授賞式のステージでコッポラ監督と抱き合う姿は感動的なものだった。



 壇上でルーカスは「今日は皆さんに感謝するために来ました。私はカリフォルニアの真ん中でブドウ畑に囲まれて育ち、サンフランシスコで友人のフランシス・フォード・コッポラと一緒に映画を作り始めました。私たちはキャリアを通して共に過ごし、サンフランシスコを拠点としてきました。実際、私は監督としてハリウッド映画を作ったことはありません。だから、ここに来ることができてとても光栄です。そう断言できます」とスピーチ。その後、コンペティション部門の最高賞であるパルムドールのプレゼンターも務めた。



 そのパルムドールを受賞したのは、ショーン・ベイカー監督によるセックスワーカーを題材としたスクリューボール・コメディ(※)『Anora』。審査員長を務めた『バービー』の監督グレタ・ガーウィグは「エルンスト・ルビッチやハワード・ホークスの映画のような古典を思い起こさせるものがあった。真実味があり、予想外のものだった」と語った。(※コメディ映画のサブジャンル。1930年~40年代にハリウッドで盛んにつくられた)



 同映画は、米国の独立系映画製作・配給会社のNEON社が手がけており、同社は5年連続でパルムドール受賞作(2023年『落下の解剖学』、22年『逆転のトライアングル』、21年『TITANE/チタン』、20年『パラサイト 半地下の家族』)の配給権を獲得したことになる。



 ベイカー監督は、iPhone5sで撮影し、全編でその映像を使った低予算の長編映画『タンジェリン』(15年)が話題となり、それから9年でパルムドールを受賞するまでに大きく成長。壇上でベイカー監督は「信じられない」と言いながら審査員に感謝し、「パルムドールは過去30年間、映画監督としての私の唯一の目標だった」と語った。今回のコンペティションで競い合ったフランシス・フォード・コッポラ監督(『Megalopolis』)とデビッド・クローネンバーグ監督(『The Shrouds』)のベテラン監督2人から大きな影響を受けてきたと敬意を表した。アメリカ人監督がパルムドールを受賞するのは、11年に 『ツリー・オブ・ライフ』でテレンス・マリック監督が受賞して以来13年ぶり。



 パルムドールに次ぐグランプリには、インドのパヤル・カパディア監督による『ALL WE IMAGINE AS LIGHT』が受賞。カンヌのコンペティション部門でインド映画が受賞するのは1994年以来とのこと。プレゼンターは、ヴィオラ・デイヴィスが務めた。



 最優秀監督賞はポルトガルのミゲル・ゴメス監督(『Grand Tour』)が受賞。プレゼンターとして、ヴィム・ヴェンダース監督が登壇した。



 最優秀女優賞は、フランスのジャック・オーディアール監督による『Emilia Perez(原題)』のアドリアナ・パス、ゾーイ・サルダナ、カーラ・ソフィア・ガスコン、セレーナ・ゴメスらが受賞。役所からトロフィーを手渡されたガスコンはカンヌで受賞した初のトランスジェンダー女優となった。犯罪組織のリーダーが、長年夢見て来た性転換を実現しようとするミュージカルコメディの同映画は、審査員賞も受賞した。



 最優秀男優賞は、ヨルゴス・ランティモス監督の『憐れみの3章』でエマ・ストーン、ウィレム・デフォーとともにメインキャストを務めたジェシー・プレモンスが受賞。『憐れみの3章』は、3つの作品からなるアンソロジー映画。プレモンスは自分の人生を取り戻そうと格闘する男、海で失踪し帰還するも別人のようになった妻を恐れる警官、卓越した教祖になると定められた特別な人物を懸命に探す女の相棒の3つの役を演じた。



 イランから極秘出国し、同映画祭に参加したモハマド・ラスロフ監督による『The Seed of the Sacred Fig』は特別賞を受賞。ラスロフ監督は、国家安全保障に反する共謀罪で禁錮8年とむち打ちなどの判決を受けたことを明らかにしていた。



 そのほか、カメラドール(最優秀新人賞)は、ノルウェーのハーフダン・ウルマン・トンデル監督の『Armand』。最優秀短編映画賞は、クロアチアのネボイシャ・スリエプチェヴィッチ監督による『The Man Who Could Not Remain Silent』が受賞した。



 今回のカンヌ国際映画祭では、コンペティション部門の審査員として、日本から是枝裕和監督が参加。スタジオジブリが団体としては初となる名誉パルムドールを受賞した。奥山大史監督の『ぼくのお日さま』が「ある視点」部門に選出されたほか、監督週間部門で上映された山中瑶子監督の映画『ナミビアの砂漠』が国際映画批評家連盟賞を受賞。27歳の山中監督は、女性監督としては最年少受賞となった。また、公式ポスターに長崎の原爆をテーマにした黒澤明監督の映画『八月の狂詩曲』(1991年)の一場面が採用された。

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