胆汁漏れ、蛍光色素で光らせ発見

がんなどの手術で肝臓を切除した際に問題となる胆汁の「漏れ」について、赤外線を当てると光る蛍光色素を使い、胆汁を光らせていち早く検出することに成功したと、鳥取大などのチームが11日、発表した。漏れは肝不全などの合併症を引き起こすことがあり、早期治療や二次的な感染症予防が期待される。
鳥取大によると、胆汁漏は肝切除を受けた約10%の患者で発症する。肉眼で確認することが多いが、少量の場合は見えにくい点が課題とされてきた。
チームは肝検査などで使われる蛍光色素インドシアニングリーン(ICG)を活用。ICGを投与すると、肝臓を通じ胆汁に排出されることを利用した。赤外線カメラで肝臓の切断面をみると、胆汁が漏れ出た場合はICGが黄緑色に光って見えるため、目でみて分かる仕組み。
臨床試験では、ICGを使って漏れを調べるグループと、通常の方法のみのグループで比較。その結果、手術後の漏れの発生率は、通常グループが27・3%だったのに対し、ICGでは5%だった。確認できた漏れの数は肉眼と比べて約11倍になった。
(共同)