2021年4月29日(木)

《新型コロナ》大型連休突入 茨城県内観光業「今年こそ」 誘客へ期待、懸念も

椅子の消毒作業をする旅館「筑波山江戸屋」の若おかみ=つくば市筑波
椅子の消毒作業をする旅館「筑波山江戸屋」の若おかみ=つくば市筑波

新型コロナウイルスの感染拡大が収まらない中、29日から今年の大型連休が事実上始まる。昨年、イベントの中止や施設の休業を余儀なくされた茨城県内の観光関係者は、書き入れ時に期待を寄せていたものの、東京都などに緊急事態宣言が発令され、誘客への懸念が広がる。コロナ2季目のゴールデンウイーク(GW)も、感染症対策と経済の両立で難しいかじ取りを迫られそうだ。

首都圏に近い筑波山の周辺の観光施設では、誘客への期待と感染に対する不安の声が入り交じった。

「去年のGWは全く営業できず、今年こそと準備してきた」。筑波山中腹の旅館「筑波山江戸屋」(つくば市筑波)の若おかみ、川野真紀さん(48)は期待を込める。緊急事態宣言発令後もキャンセルはほとんどないという。

筑波山でケーブルカーなどを運行する筑波観光鉄道(同)は、緊急事態発令に伴い、都内の小学校から遠足の予約キャンセルがあった。千葉県や茨城県の学校からも中止の連絡が相次ぎ、打撃を受けている。

土産店「神田家」(同)の神田幸一代表は「1年以上コロナが続き、経営は疲弊している。感染への不安もあってもろ手を挙げて(来客を)歓迎できない」と複雑な胸の内を明かす。

JTB総合研究所の調査によると、今年の大型連休の国内旅行者は、推計で前年比90.0%増の950万人。全国に緊急事態宣言が発令された前年に比べ対象地域が限定されており、「一定程度の旅行者が増える」とみる。

22日から県の「感染拡大市町村」に指定された大洗町では、既に県内外から潮干狩りなど多くの観光客が訪れている。同町の老舗旅館「肴屋(さかなや)本店」(同町磯浜町)の大里明さんは「観光客に来ていただけるのはありがたい」と話す。一方で連休開けの予約は「ぱったりと止まっている」として、先行きを不安視する。

同じく「感染拡大市町村」のかすみがうら市歴史博物館(同市坂)では、大型連休中に予定した甲冑(かっちゅう)試着や物販のイベントを急きょ中止にした。29日から始まる企画展は予定通り開くものの、緊急事態地域の住民には入館自粛を求める告知を立てた。

中小旅行業者で構成する県旅行業協会(木村進会長)によると、東京や大阪など4都府県に緊急事態宣言が発令されて以降、予約のキャンセルが相次ぐ。県外を旅行先とした観光需要について、木村会長は「発令前は昨年を上回る見通しを立てていたが、ここに来て状況が一変してしまった」と肩を落とす。

ネモフィラが見頃の国営ひたち海浜公園(ひたちなか市馬渡)は、ここ数日の入園者数が感染拡大前の19年と比べ半数程度で推移。連休中は混雑も想定し、臨時駐車場の確保や来園時間の延長などで混雑緩和と感染防止策を講じる。

19年のGWに50万人超が来場した「笠間の陶炎祭(ひまつり)」は、入場者を1日5千人に限定する。出店する陶芸家や工房にとっては大きな収入源となり、主催する笠間焼協同組合の担当者は「何事もなく無事に終わってほしい」と願っていた。



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