
【アニメ】
石見舞菜香、芸歴半分は『フルバ』色 「優しくすることは勇気いる」憧れる本田透の“優しさの連鎖”

TVシリーズ総集編に新作映像を加えたアニメ『フルーツバスケット -prelude-』が、2022年2月18日より全国上映される。新作映像として、本田透の両親である「本田今日子と本田勝也の物語」を初めて映像化。ORICON NEWSでは透役の石見舞菜香(23)にインタビューを実施し、作品の見どころとともに、芸歴6年の半分以上が“本田透”となった約3年間の思い出を振り返ってもらった。
【動画】話を振り返り感動!インタビューに答える石見舞菜香
『フルーツバスケット』は、唯一の家族だった母親を亡くして一人テント暮らしをしていた女子高生・本田透が、あることがきっかけで、同級生・草摩由希が暮らす同じ一族の草摩紫呉の家に居候することになる物語。ちょっと複雑な事情を抱えた高校生たちの葛藤や悩み、日常にスポットを当てたストーリーとなっている。
1998年から2006年まで『花とゆめ』で連載され、コミックスは全23巻で全世界発行累計発行部数3000万部を突破。2001年にテレビアニメ化され(全26話放送)、そして新スタッフ&キャストにより再びアニメ化され、1st seasonが2019年4月~9月に放送。初のアニメ化ストーリーを描いた2nd seasonが2020年4月~9月に放送され、最終章が2021年4月~6月にかけて放送された。
■インタビュー中に目がウルウル 本田透の魅力は「あふれる優しさ」
――今回の物語は透の両親の物語となります。TVシリーズを終え、すぐにまた透を演じることができていかがでしたか?
TVシリーズを終えて、少し期間が空いてからの収録でしたので、また、透くんを演じることができてうれしかったです。同時に、懐かしい気持ちにもなりました。
――透のことを、「透くん」と呼ぶんですね(笑)
あっ、そうなんです!ふふふ(照れ) (透の)親友の魚ちゃん(魚谷ありさ)、花ちゃん(花島咲)が、「透」「透くん」と呼んでくれるので、私もTVシリーズが始まってすぐに「透くん」と呼ばせていただいています。
――さっそく、ほほ笑ましいエピソードありがとうございます。約3年間演じ続けてきましたが、彼女に似てきた瞬間はありますか? 口癖「〇〇なのです!」などを、私生活で使ってしまうこともありそうですが。
「〇〇なのです!」はあまり使わないですね(笑)でも、透くんは意図せず優しいことをする子なのですが、人に優しくすることって勇気がいることだと思います。そんな透くんを見て、人に優しくする大切さや一歩踏み出す勇気を学んだ気がします。
透くんは私にとって理想の女性です。自分のことよりも相手のことを第一に考えられる子なので、だからこそ周囲の子も透くんのことを大切に思ってくれる。あふれる“優しさ”が彼女の魅力であり、惹かれる理由の一つです。
――優しく接すれば、相手も優しく接してくれる…「優しさの連鎖」ということですね。そんな透を常に優しく見守っていたのが、今回の物語の中心人物である母親の今日子です。台本を読ませていただいた時、冒頭の「私はお母さんに会うために生まれてきたのですよ」にグッときました。今作で印象深いシーンはどこでしたか?
いっぱいあります!(笑)そのシーンも大好きなのですが、両親の物語ということもあり、透くんが生まれる前のエピソードが印象深かったです。今日子さんは若いころグレていた時期があったので、透くんを妊娠した時、透のお父さん・勝也さんに「お世辞にもいい生き方してきたなんて言えないあたしが、人間を産んで人間を育てるなんて、できるのかな…?」と不安を吐露するシーンがあるんです。そこで勝也さんが「二人で育てよう」と言って、グッときました。両親の人生があった上で、透くんが生まれてきたと感じた瞬間でした。
――テレビシリーズ、原作含めて「泣ける」エピソードが多いのが、『フルーツバスケット』だと思います。今回の新作アニメも台本を手にした時から、感情が揺さぶられたのではないでしょうか。
原作の大ファンなので、両親のエピソードは大好きでした。映像で見ることができてうれしかったですし、沢城みゆきさん(今日子役)、細谷佳正さん(勝也役)のお芝居を後ろから見させていただいて、漫画(絵)から色が付いて、声が付いて…さらにすばらしい物語になるなと思いました。もう、想像しただけで泣けちゃいます。
――今、石見さんの目がウルウルとなっているのですが…(笑) 台本や収録現場では、想像以上の感動を受けたことが伝わってきます。
ふふふ(照れ)「お父さんとお母さんが喋っている!」という感動もありましたし、お二人のお芝居にも感動しましたし、いろんな感動を現場で受け取りました。
■『フルバ』本田透との出会いは「宝物」 芸歴6年…半分以上の付き合いに感謝
――『フルーツバスケット』は友人関係、家族関係にスポットを当てた作品だと思います。作品の物語を通じて影響や学んだことはありましたか。
そばにいる両親や友人は「当たり前の存在ではない」と強く感じた作品です。透くんは両親を亡くしていて、仲間のみんなに出会わなければ、つらい過去にフタをしながら生きていく人生だったと思います。「両親や友人をより大切にしていきたい」と思い、言葉で感謝を伝えるようになったと思います。
TVシリーズの最後の方で、(草摩)由希くんが透くんに「君に会えて良かった。君がいてくれて良かった。ありがとう、透」というシーンがあるのですが、収録の時、透くん本人の気持ちにすごくなって、心に響きました。この作品はキャラクターの気持ちを理解しないと演じられないと思います。「ありがとう」などの気持ちを本心から伝えることが、一番大切なことだった気がします。
――3年間演じてきて、透は自身にとってどのような存在になりましたか。
オーディション期間を含めると4年間、透くんと付き合ってきました。私はお仕事を初めて芸歴6年目になるのですが、キャリアの半分以上、一緒にいてくれたのは透くんだけです。なので、常に隣にいてくれる安心感があります。私の人生を語る上で欠かせない存在ですし、初めてだらけのことを彼女を通じて経験させていただきました。宝物です。出会えて感謝しかありません。…今思うと、透くんと出会ってから涙もろくなりました(笑)
■『フルーツバスケット -prelude-』あらすじ
この世の何も信じることが出来ず荒れ果てた生活を送っていた今日子は、教育実習生として赴任してきた本田勝也と出会う。慇懃無礼でクセの強い勝也に翻弄され、次第に惹かれていく。ところが、不良仲間との間で起きた事件をきっかけに親から勘当を言い渡されてしまう。今まで散々好き勝手やってきた罰だ。そう思う今日子の前に、勝也が現れて…。
(取材・文/櫻井偉明)
【作品情報】
■タイトル:フルーツバスケット -prelude-
■公開日時:2022年2月18日(金)
■スタッフ
原作・総監修:高屋奈月「フルーツバスケット」(白泉社・花とゆめCOMICS)
監督:井端義秀
脚本:岸本 卓
キャラクターデザイン:進藤 優
衣装デザイン:minatsu
美術監督:神山瑶子
色彩設計:菅原美佳
撮影監督:蔡 伯崙
編集:肥田 文
音響監督:明田川 仁
音楽:横山 克
音楽制作:トムス・ミュージック
アニメーション制作:トムス・エンタテインメント
製作:フルーツバスケット製作委員会
■キャスト
本田今日子:沢城みゆき
本田勝也:細谷佳正
本田透:石見舞菜香
草摩由希:島﨑信長
草摩夾:内田雄馬
ほか
(c)高屋奈月・白泉社/フルーツバスケット製作委員会