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【音楽】
YOSHIKIという体験――音も食もアートも、そして涙とユーモアも、すべてを味わったプレミアムディナーショー初日【体験レポート】

YOSHIKIプレミアムディナーショー初日、体験レポート


 世界的アーティスト・YOSHIKIのプレミアムディナーショー『EVENING / BREAKFAST with YOSHIKI 2025 in TOKYO JAPAN - KURENAI』が8月22日から6日間にわたりグランドハイアット東京で開催された。全10公演が行われたこのディナーショーは、世界一高額なディナーショーとしても話題を集め、初日からその名にふさわしい、圧倒的なスケールとクオリティで観客を魅了した。



【写真】豪華な食事に舌鼓…メインディッシュのビーフテンダーロインのロースト 黒オリーブソース



■豪華絢爛な食と美の空間



 会場にはYOSHIKIゆかりの衣装やワインなどが展示され、開演前から訪れたゲストを非日常へと誘う演出が施されていた。



 食事はYOSHIKIが監修したフルコース。前菜からデザートに至るまで、アートのような皿が次々と運ばれてくる。ワインはすべてYOSHIKIプロデュースの『Y by YOSHIKI』シリーズ。先日の会見で発表されたばかりの新ヴィンテージが、発売前にもかかわらずいち早く振る舞われ、またグラスワインとしては破格の1杯7000円相当のシャンパーニュも登場。その芳醇な味わいに会場からも感嘆の声が漏れた。特にデザートのラズベリーシャーベットとピアノ型チョコレートプレートは、ファン心を大いにくすぐった。



■AI YOSHIKIとの異次元トークセッション



 ディナーの余韻に浸るなか、突如スクリーンに現れたのは“AI YOSHIKI”。観客から寄せられた質問に流暢な日本語で答えていくスタイルでショーは幕を開けた。



 「好きな食べ物は?」「アンチエイジングで大切なことは?」といった素朴な質問に加え、「結婚はしないのですか?」や「X JAPANのアルバムはいつ出ますか?」といった、本人には聞きにくい質問にも正面から答えていく姿に会場が沸いた。AI YOSHIKIは、「いつかは考えてみたい」「楽しみに待っててください」などと返しながら、ユーモアを交えて温かく応じた。



■待望のYOSHIKI登場、新曲「THE SEINE」初披露



 AI YOSHIKIの登場後、ついに本物のYOSHIKIが屈強なSPに先導されて登場。弦楽四重奏+ハープ、ボーカルのBeverlyによる「Say Anything」で幕を開け、自らピアノで演奏に加わると、会場の熱気は一気に高まった。



 続いてYOSHIKIは、「今朝できたばかり」という新曲を世界初披露。X JAPANの「Miracle」に続く“第2章”と紹介され、タイトルは「THE SEINE(セーヌ)」と発表。ボーカルの市原愛を迎えて演奏され、美しくも儚いメロディに観客は聴き入った。



■名曲の数々と、ユーモアあふれるMC



 MCでは「AI YOSHIKI、しゃべりすぎじゃない(笑)?」と軽妙に会場を和ませ、「料理おいしかった?僕も飲みたいな」とユーモアを交えて観客との距離を縮めていく。ファンからの演奏曲のリクエストについては、「Xで書いてくれたらやるかも。でもXは炎上するからインスタのほうがいいかな?」とジョーク交じりに会場を笑わせた。



 また、YOSHIKIプロデュースのボーイズグループ「XY」のボーカル・JAYと女性ギタリスト・YUIを迎えた「Rusty Nail」では、若手を積極的にフックアップしようとするYOSHIKIの姿勢が伺えた。2人とも前日に急きょ呼ばれたようで困惑していたが、そんな様子をよそに「すごいよねぇ」とさらりと言ってのけるYOSHIKIのマイペースぶりが、なんとも印象的だった。



■ファッション&チャリティ、そして感動のフィナーレへ



 ステージでは、YOSHIKIが手がけるブランド「YOSHIKIMONO」「MAISON YOSHIKI PARIS」によるファッションショーも展開。モデルたちに出身地や好きな食べ物を尋ねる場面もあり、会場に笑いが広がった。



 チャリティー活動にも時間が割かれ、無観客ライブで着用したロングジャケットが250万円で落札され、全額が寄付に(なお、今年のディナーショー期間での最高額は、最終日である8月31日の500万円。2018年のコーチェラにX JAPANとして出演した際に着用したオートクチュールのジャケットが落札されたとのこと)。その後、登場したyoshikittyは、緊張で手を震わせながら「紅」をピアノ演奏するという微笑ましいシーンも。



 そしてクライマックスはYOSHIKIのドラムパフォーマンス。このパフォーマンスが、三度目の手術後、初のドラム演奏となった。チャイコフスキーの「弦楽セレナーデ」に合わせ、ツーバスで空間を揺らす。ステージ装置と映像演出がリンクし、まるでシアターのような世界観に会場は息をのんだ。



 この日、特筆すべきは音響の美しさと演奏陣の完成度の高さ。弦楽器、ハープ、ボーカル、ピアノ、ドラムが織りなす音は、豪華な会場の空間に完璧に溶け込み、YOSHIKIの世界観を五感で体感できる設計になっていた。



■「最後の最後までドラムを叩いてやろうと思う」



 ドラム演奏後には、「仲間やファンに支えられてここまでやってきた。首の持病でドラムを辞めようと思ったこともあるけど、最後の最後まで叩いてやろうと思う!」と力強く宣言。観客からは大きな拍手が送られた。



 その後もAI YOSHIKIとの再共演、「Red Swan」や「Nessun Dorma」などの名演が続き、「いつまでも紅に染まった気分なんだよね。なんでだろうね…」と語りながら披露された「紅」は、バラード調で情感たっぷりの仕上がりとなった。



 亡きHIDEさん、TAIJIさん、HEATHさん、そして両親との思い出が映し出された映像のあと、涙を堪えながら語るYOSHIKIの姿に、観客も胸を打たれた。「この瞬間瞬間が大切だと感じています。本当に奇跡。支えてくれるみなさんに感謝の気持ちでいっぱいです。何度倒れても立ち上がるから、応援してほしい。みんなにも僕がいるから」――そう語るYOSHIKIの声に、場内は深い静寂と温かい感情に包まれた。



 最後は「ENDLESS RAIN」で締めくくられ、会場からは大合唱が起こるなか、感動のフィナーレを迎えた。



 音楽、食、アート、ファッション、テクノロジー。そのすべてにYOSHIKIの想像力とホスピタリティが詰め込まれたディナーショー。そして、終演後も深夜におよぶ時間までていねいに関係者やファンへお礼を伝える姿から、YOSHIKIの人間性が伝わる――まさに“世界最高額”にふさわしい一夜だった。

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