才能見つける眼力すごい 音楽プロモーター、宮崎さんを親友評価

茨城県出身の音楽プロモーター、宮崎恭一さん(77)の著書「呼び屋一代 マドンナ・スティングを招聘した男」(講談社)の出版を記念した対談イベントが5月24日、同県水戸市南町2丁目の水戸証券ビル1階ホールで開かれた。宮崎さんと対談した地元老舗かばん店の竹脇元治さん(77)は、小学生時代からの親友。宮崎さんについて、「新しい才能、素材を見つける眼力がすごい」と評し、上京して本格的なプロモーターになるまでの水戸での異才ぶりを明かした。
対談は、茨城新聞みと・まち・情報館(水戸証券ビル1階)が企画。水戸市立五軒小に転校してきた宮崎さんの〝お世話係〟が、竹脇さんだったという。宮崎さんは小6の頃、大手出版社を動かして全国から資金を集め、活版印刷の新聞を発行。竹脇さんも巻頭写真の撮影などに協力した。
「タウン誌の月刊みとをつくったのは彼。水戸でレコード店もやっていて、吉田拓郎のコンサートを大成功させた」と竹脇さん。
宮崎さんは「雑誌を使ってコンサートチケットを販売した。チケットぴあより前に、電話予約を受けてクレジットカードで決済するチケット販売システムをつくった」と紹介した。竹脇さんは「彼は他人の力を集めて商売する才覚があった。東京に出た方がいいと勧めたのは私」と明かした。
宮崎さんは「まだ無名だったマドンナも『これは日本で売れる』と思っただけ」と話し、世界の歌姫マドンナ初来日公演を実現させた舞台裏などを語った。
対談を楽しんだ俳優でシャンソン歌手で俳優の中澤敦子さん(83)は「こんな自由人が水戸にいるなんて、とてもうれしい」と笑顔で話した。竹脇さんとは以前、共に劇団文化座で俳優をしていたことも分かり、「きょうは忘れられない一日」と再会を喜び合った。アングラ演劇をけん引した劇作家、寺山修司さんとの思い出話も飛び出し、会場を沸かせた。