overlaylist; ?>


次の記事:住宅から大型鳥「エミュー」逃げる 茨城・取手 

《昭和100年》戦時中の紙幣発行支える 日銀水戸事務所 設立80周年 金融知識の普及進める 茨城

日銀水戸事務所の役割を説明する稲見征史所長=水戸市泉町
日銀水戸事務所の役割を説明する稲見征史所長=水戸市泉町


日銀水戸事務所は1日、設立80周年を迎える。太平洋戦争末期から日本銀行券(紙幣)の発行などを通じて地元金融機関を支えてきたほか、茨城県内の経済調査や、市民へ金融知識の普及活動を担ってきた。

1944年12月、事務所の前身として日銀本部事務の一部を担う本店国庫局分室が同県水戸市馬口労町(現末広町)に開設した。太平洋戦争の戦局が悪化し、空襲による被害が想定されたため、本店事務の疎開が目的だった。

■本店事務の疎開

戦時インフレが進んで紙幣が急速に増加した44年ごろまでは、銀行員が毎日のようにリュックサックを背負って超満員の列車に乗り、日本橋の日銀本店との間の現金輸送をしていた。こうした状況を受け、常陽銀行初代頭取の亀山甚は日銀側に「事故をおのずから誘発するもの」と進言。45年1月、「寄託券金庫」が同行に置かれ、地元金融機関との間で紙幣の受け払いを行うようになった。戦時下の緊急措置としての導入は全国で初めてだった。金融機関に日本銀行名義で紙幣を預ける制度は、新旧円の引き換えで大きな役割を果たした。

終戦直前の同8月1日、分室を水戸事務所に改組。日銀ではこの日を事務所開設日としている。

60年に同市泉町のビル内に移転後、65年には同所の常陽銀行本店に移り、現在に至る。

事務所の最も重要な業務は地元金融機関との紙幣の受け払いだ。供給は本店から送られてくる紙幣を金庫で保管し、金融機関に払い出す。回収は金庫に保管後、本店へ輸送する。自然災害が生じても現金供給が途切れないよう金融機関と連携して体制整備をしている。

■地域経済の調査

金融政策の判断材料とするための、地域経済の調査活動も60年以上行っている。県内経済統計の分析を行うほか、全国短期経済観測調査(短観)というアンケート調査や企業への聞き取り調査を実施し、経済の実態を把握する。調査結果はホームページ上で公表したり、講演などを通じて情報発信したりしている、

県金融広報委員会の事務局としては、金融知識の普及活動を進める。学校、企業への講師派遣や、市民対象の講演会とセミナーを開いている。

80周年の節目に、稲見征史所長は「社会や経済の環境の変化は激しいが、求められる業務を途絶えず着実にやることが何よりも大事。皆さまの理解と力を借りながら必要な金融サービスを提供していきたい」と話している。



最近の記事

茨城の求人情報

https://cpt.geniee.jp/hb/v1/207318/39/instbody.min.js"