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全身の痛み耐え 絵描く 笠間の宮本さん 26年春デジタル書籍 個性豊か、笑える作品 茨城

作品を手にする宮本裕司さん(左)とさゆりさん=小美玉市内
作品を手にする宮本裕司さん(左)とさゆりさん=小美玉市内


体の広い範囲が痛む原因不明の疾患に悩まされ続ける茨城県笠間市大橋のイラストレーター、宮本裕司さん(57)が痛みに耐えながら絵を描いている。個性豊かなキャラクターが登場し、くすっと笑える作品や思わず見入ってしまう作品ばかり。妻のさゆりさん(55)の支えもあり、デジタル書籍が来春、東京都内の出版社から発行される予定だ。宮本さんは「やりがいになる。みんなに笑ってもらえたらうれしい」と、多くの人に楽しんでもらえるよう願う。

眼鏡業界で働いていた宮本さんは2019年に動脈解離を患った後、胸の痛みに数年間苦しんだ。痛みは右膝や肩、首に広がり、体全体が痛むようになった。昨年1月に原因不明の疾患「線維筋痛症」と診断された。

体が思うように動かせず、自宅で大半を過ごす状況だった昨春、さゆりさんが「変な絵描くのが得意なんだから、描いてみたら」と提案。普段の落書きが奇抜で、魅力を感じていたという。宮本さんは乗り気ではなかったが、絵を描くのは好きで「マジックで描き始めたら面白くなり、目覚めてしまった」。

登場する人や動物、架空の生き物などの表情は多彩。1枚の絵に数え切れないほどのキャラクターを詰め込んだり、笑う大きな月を描いたりする。代表作は中学時代に生み出した「みやも虫」。大きな口を開けて笑う水玉模様の動物は、不気味さとかわいらしさを持ち合わせて個性が光る。

チラシの裏などにマジックで描くことから始め、現在はタブレット端末を使って制作。複雑な絵でも1日程度で仕上げる。

一時は体調が悪く、午後は横になって休む状態が続いた。さゆりさんは「励みになることを」と考え、出版社に今春、作品の書籍化を問い合わせた。反応は鈍く感じられたが、作品を見た担当者から出版の提案があった。

書籍化に必要な作品は130枚。宮本さんは痛みに耐えながら描き進め、既に完成させた。

「少しでも本人の生きがいになればいい」とさゆりさん。宮本さんは「いろいろな人の目に届くことが、やりがいになっている。この絵を世に広め、みんなに笑ってもらえればいいかな」と穏やかな笑顔を見せた。



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