みどりの東(つくば) 3年連続1位 茨城県内基準地価上昇率 県南に東京圏需要流入

茨城県が16日発表した県内基準地価で、つくばエクスプレス(TX)みどりの駅から約2.9キロのつくば市みどりの東の上昇率が3年連続で1位となった。みどりの地区は地価が比較的高いTX研究学園駅周辺の受け皿として人気を集め、みどりの駅周辺の宅地化率が上昇してきたことで、やや離れた「東」の需要が高まっている。県南地域では他にも基準地価上昇が見られ、専門家は、東京圏の価格高騰の影響で「県外から需要が流れ込んでいる」と分析する。
同駅を最寄り駅とするみどりの地区は2000年から18年にかけて区画整理され、みどりの1丁目▽みどりの中央▽みどりの南▽みどりの2丁目▽みどりの東-で構成。地区内には市立みどりの学園義務教育学校と市立みどりの南小学校・同中学校のほか、市民プールやスーパーマーケットなどの利便性の高い施設が建ち並び、若い子育て世帯が流入している。
市によると、宅地化率は同駅前のみどりの1丁目の93.7%(24年度)に比べ、みどりの東は84.2%(同)でやや余裕がある。土地調査に携わった不動産鑑定士の羽場睦夫氏は「駅前の中心部から埋まってきているので、駅から離れた場所にも需要が出てきた」と指摘。もともと地価が低かったこともあり、高騰しやすい状況だという。
みどりの地区の人口は1万6413人(25年4月現在)。計画人口に対する定着率は78.2%となり、上昇してきている。市内では、TX万博記念公園駅周辺でも区画整理事業が進んでおり、今後も市内のTX沿線需要は続くとみられる。
TX沿線以外では、JR常磐線ひたち野うしく駅周辺なども基準地価の上昇が見られる。上昇率16位と17位の牛久市ひたち野西と同東は、いずれも同駅から約400メートルの好立地で、スーパーマーケットなどが立ち並ぶ。東京都内への電車通勤や、つくば市内の研究所などへバスで通勤する子育て世帯に需要が広がる。
羽場氏は「水戸も人気がある土地は地価が上昇しているが、県南地域は東京や千葉の住宅地の価格高騰の影響で県外から需要が流れ込んでおり、需要のボリューム層が大きい」とみる。