水戸の歴史、世界に発信 米の研究家が出版へ
水戸市街地の活性化を図る「水戸ど真ん中再生プロジェクト」の堀義人座長は10日、同市南町で会見を開き、ハーバード大学卒の日本近代史研究家、マイケル・ソーントン博士が、近代化過程における水戸の役割を記す「Mito and the Making of Modern Japan」(水戸による近代日本の創設、仮題)を出版すると発表した。
会見には堀座長、ソーントン博士、高橋靖水戸市長らが出席した。
ソーントン博士は水戸について「アメリカでは学者でもイメージはあまりない」と話す。会沢正志斎の「新論」など思想的観点では認識はあるとするも、水戸自体は知られていないという。前日は偕楽園や弘道館などを視察しており、「現代でも歴史が生き続けていると伝えたい」と力を込めた。
堀座長は西郷隆盛が藤田東湖に学んだことなどに触れ、「水戸学が明治維新に影響を与えていることはあまり認知されていない」と話す。歴史学者の客観的な視点を通して、水戸の歴史と明治維新への影響を国内外へ発信していく。
英語での出版には「海外に水戸が浸透すれば、訪日外国人観光客が水戸に訪れるきっかけにもなる」と期待を込めた。
日本語出版も予定する。資金はクラウドファンディングで支援を募る。2019年の秋に英語、20年の春に日本語での出版を目指す。
(志賀敦文)