【論説】介護保険料上昇 給付と負担の改革を

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65歳以上の高齢者が2024~26年度に支払う介護保険料は全国平均で月額6225円になった。00年度の制度開始当初の2・1倍で過去最高を更新。介護職員の賃上げのためサービスの公定価格「介護報酬」を24年度に増額改定したことも保険料アップに影響した。

25年に団塊の世代が全員75歳以上となり、40年度には高齢者人口がほぼピークに達する。今後も介護需要は増える。手をこまねいていれば、介護給付費が急増し、保険料はうなぎ上りだろう。上昇を抑制するには「給付と負担」両面の改革を不断に続ける必要がある。

介護保険は市区町村や広域連合が運営する。財源は三つ。①介護サービス費用の原則1割(一定所得がある人は2割か3割)を支払う利用者の自己負担②その負担分を除き費用の50%は国と地方が出す公費(税金)③残る27%を40~64歳の保険料、23%は介護サービスを受けられる65歳以上の保険料-で賄っている。

65歳以上の保険料は、市区町村などが要介護認定される人数を3年ごとに予測して基準額を決め、その上で所得に応じた保険料を徴収する。これから高齢化が進む地域は金額が上がり、ピークを越せば下がる。介護サービス体制を充実させた地域は増え、介護予防を強化すれば減る傾向がある。こうした財政事情、地域差を生む各地の実態を踏まえた対策が必要だ。

介護保険の収入面では、公費負担を増やして保険料上昇を抑えられるのか。政府は「異次元の少子化対策」の財源確保に向け、社会保障の歳出を1兆円超抑制する方針。介護への公費はむしろ絞る方向なのが現実だ。

介護保険料は制度開始以来40歳以上が払ってきたが、この年齢引き下げも検討課題になろう。ただ若者から徴収すれば、社会を挙げて支援すべき子育て世帯に負担増を強いることになり、少子化対策に逆行しかねない。

介護サービス利用時の自己負担を経済力に応じ2割とする対象の拡大は近年先延ばしされてきたが、真剣に検討せざるを得ない段階ではないか。

65歳以上のうち要介護者は2割未満という実態もある。税や保険料を負担しながら介護サービスを受けない高齢者との公平性からも、支払い能力がある要介護者に自己負担引き上げを求めるのは一定の合理性があるのではないか。ただ、介護を真に必要とする人の利用控えを招くことは防ぎたい。

支出面の対策では、介護予防の取り組み強化が不可欠だ。高齢者の運動、交流促進が効果を上げて保険料引き下げにつながった例もある。介護サービスに過度に頼らず、地域社会で高齢者の暮らしを支えていく在り方も重要だ。

ただ行き過ぎたサービス抑制は当事者を苦しめる。深刻な介護職員の人手不足緩和へ処遇改善も進めなければならない。今の介護給付費が効率的に使われているか否かの検証は必要だろう。政府は、社会保障の歳出改革推進で介護制度を劣化させてはならない。

月額保険料の最高は大阪市の9249円だ。単身の高齢者が多く、サービス利用が増えたのが要因という。1万円目前ではあるが、必要な介護を必要な時に受けられる体制を住民が望んだ結果だとすれば、一概に「高いのは悪」とも言い切れまい。重要なのは費用対効果の適正バランスだ。



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