【いばらき春秋】

【AD】


牛久市で春大根の出荷が最盛期を迎えている。「うしく河童(かっぱ)大根」の名で知られる特産品。普通の大根より色が白く、みずみずしい。県の銘柄産地にも指定されている

▼大根はヨーロッパや西アジアが原産。日本の食文化史を研究する江原絢子さんの論文によると、江戸時代には、日常食としてなくてはならない存在で、特に農村では朝、昼、夕の三食ともに汁、菜などに頻繁に使われた

▼漬物のたくあん、そばの薬味に大根おろしと、調理法によって「個性」が変わるのも良い。昭和の国民的ドラマ「おしん」では、細かく刻んだ大根をコメに混ぜて炊いた「大根めし」が登場した

▼大根めしは、満足にご飯を食べられなかった寒村や、戦時中に食された。先の大戦を経験した人の中には、その味を覚えている人も多かろう

▼うしく河童大根は主に都内へ出荷されるが、牛久市内の農産物直売所でも買うことができる。「サラダや大根おろしにして食べるのがお勧め」と直売所の女性。生産者の山越隼人さん(41)も「主役ではないが、他の料理をカバーできる名脇役」と話す

▼何百年も日本人の食生活を支えてきた大根。片手で握ると、頼もしくさえ感じる。知れば知るほど、甘みと辛みが一段と深まる。(今)



最近の記事

茨城の求人情報

https://cpt.geniee.jp/hb/v1/207318/39/instbody.min.js"