【いばらき春秋】
秋のフレーズにeスポーツの秋を加えてはどうか。「なあ~んだ対戦型のコンピューターゲームでしょう」と言うなかれ。いまや国際オリンピック委員会(IOC)公認の大規模イベントや賞金総額約90億円のワールドカップが開かれ、新たな競技として注目されている
▼県内では2019年の国体で史上初の都道府県対抗の大会が開かれ、社会人リーグも発足した
▼eスポーツを教育に生かす高校も増えている。子どもたちと社会をつなぐツールともなり、不登校の支援や人材育成などeスポーツの活用が進む
▼産業界も熱い視線を送る。人材確保や社員らのコミュニケーションの場としてeスポーツを活用するとともに、産業化への期待も膨らむ
▼横山電工(水戸市吉沢町)の横山角栄社長は「eスポーツの可能性を感じた」と語り、今月、eスポーツ専用スタジオを開設した。320インチ(7×4メートル)の大画面は迫力満点。eスポーツの認知度はまだ低いものの「いずれカラオケみたいに一般にも浸透していくのではないか」と期待する
▼eスポーツは若者だけのものではない。認知機能の改善も期待され、3世代交流にも活用される。老いも若きもeスポーツを楽しむ。そんな時代が来ているようだ。(智)