【いばらき春秋】
水戸藩の第2代藩主だった徳川光圀は、領内の山をよく登っていたようだ。関連した漢詩がいくつも残されている
▼大子町の八溝山を詠んだ作品。〈突兀(とつこつ)たる高山 常陸に尤(ゆう)なり 峰は野奥(やおう)を分かち 三州を絶つ〉。高く突き出るようにそびえる、常陸国第一の高山。野州(現栃木県)、奥州(福島県など)と三つの国境を隔てている、とたたえる
▼金鉱や町村の視察をこなしつつ、四季折々の景色をめでた。漢詩や和歌をたしなむことも、峰々に入る原動力だったかもしれない
▼県内は標高が千メートルを下回る低山が主だが、ハイキングに適していると人気がある。大子の男体山で山開きが行われたという記事が本紙に載った。いよいよシーズンが始まったとわくわくする人も多いのではないか
▼ただ昨秋は年配者が滑落死する事故が起きた。警察庁のまとめを見ると、2024年度は本県で38件の山岳遭難が起き、3人が命を落とした。年代別では60~70代が最多。心身共にまだまだ元気と自負する世代だろう。ハイカーとしての楽しみは尽きない。しかし危険と隣り合わせであると肝に銘じたい
▼60代後半まで健脚だった黄門さま。詩歌を詠むような心のゆとりが一番のお守りになる。教訓を残してくれた。(綿)










