【いばらき春秋】
きょうは「納豆の日」。西日本での普及を目指した関西の生産組合が「7(なっ)月10(とう)日」の語呂合わせから記念日とし、後に全国に広まったという
▼この日に合わせ、水戸市は「納豆のまち・水戸」PRキャンペーンを都内の県アンテナショップで開く。既に市内の学校給食に供され、商業施設でのイベントも開かれた。本県(同市)は1世帯当たりの年間購入額が常に全国上位に位置する
▼物価の優等生とされる納豆だが、あらゆる物の値段が上がる中、じわじわと値上げされているのが現状である。物価高騰はとどまることを知らず、今月も2千品目以上の食品や日用品が値上げされた
▼物価高は今に始まったことではないが、この状態、「訴え」が盛んだった江戸時代なら、混乱は避けられなかっただろう。1837年の大塩平八郎の乱は飢饉(ききん)のさなか、米を買い占めた豪商が襲われた
▼この時代、飢饉が起きると米価のほか物価が高騰し、民衆らによる一揆や打ちこわしなどの暴動が度々起きた
▼参院選は選挙戦の中盤に入った。現金給付や消費税率引き下げといった物価高対策を最大の争点に、舌戦が繰り広げられている。政治に参加する数少ない機会である。「訴え」を1票に託したい。(斎)