【いばらき春秋】

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海の日の3連休は梅雨空に戻り過ごしやすかった。夕方、草刈りを終え、ビールを片手にすがすがしい庭を眺めていると、「カナカナ」と哀愁を帯びたヒグラシの鳴き声が聞こえてきた

▼漢字で「蜩(ひぐらし)」と書き、俳句では秋の季語である。小学生の頃、夏休みの終わりを告げるかのような物悲しい響きに、たまった宿題をどうしようかと憂鬱(ゆううつ)になった思い出がある。1年を72に区切った七十二候(しちじゅうにこう)だと、「寒蝉鳴(ひぐらしなく)」は8月12~17日ごろ

▼日本人は古くから涼しげな虫の声を好んだ。NHK大河ドラマ「光る君へ」に登場する清少納言は、枕草子で「虫(で趣があるの)は、鈴虫、ひぐらし、蝶、松虫、こおろぎ、きりぎりす、われから、かげろう、蛍」(現代語訳)と書いた

▼先週、大子町で38.1度、筑西市で38.2度を観測する厳しい暑さが続いた。猛暑の一服にヒグラシも秋と間違えて鳴いたのか

▼散歩の途中、すっくと伸びたタチアオイが白紫色の花を咲かせ、隣で数輪のコスモスの花が風に揺れているのを見た。夏と秋が同居する不思議な光景である▼そういえば「ミーンミンミンミーン」とやかましい鳴き声をまだ聞いていなかった。「蝉(せみ)」は夏の季語。間もなく梅雨が明けて本当の盛夏が始まる。(山)



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