【デスク日誌】甚大な災害 SFだけに
5日に大災害が起きるとのうわさが広まった。故・小松左京さんのベストセラーSF小説「日本沈没」が脳裏をよぎった。日本列島が地殻変動で海に沈む中、水戸市の山間部の木葉下(あぼっけ)地区は陸地として残る
▼同地名の由来は諸説あり、赤土が露出した崖地の意「赤ぼっけ」とする説やアイヌ語説もある。珍しい地名は全国各所に見られ、興味深い
▼地震が続く、鹿児島県のトカラ列島の「吐噶喇」(とから)もアイヌ語由来の説があるという。仮面をかぶり、体に葉を巻き付けた「ボゼ」が観衆を追いかける祭りなど、地域は独特な民俗を有す
▼震度1以上の地震は1700回を超えた。悪石島からは住民が避難した。不安と愛着の地を離れるつらさは、いかばかりか。人々に耐え難い苦しみを与える甚大な災害は「SFの世界だけに」と強く願う。(報道部・今井俊太郎)