【デスク日誌】気持ちで感染防げない

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視界が緑色に染まる。丘陵にある公園を歩いた。人の気配が少なく、5年前には時折、訪れた場所だ。思い切り深呼吸するのは気分がいい

▼2020年春から夏にかけ、不要不急の外出自粛が叫ばれ、買い物に行くのもはばかられる雰囲気があった。人波が途絶えた街の映像は印象に残る。未知の病原体を恐れ、日々の生活も緊張を強いられた

▼数年間続いた非日常の記憶は遠のく。だが、次への備えは欠かせない。人類学者の磯野真穂さんは著書「コロナ禍と出会い直す」で、感染拡大と個人の「気の緩み」が直結するイメージが拡散された、と指摘する

▼「むしろ政府・自治体関係者などの管理者がやるべきは、気が緩んでいても問題がないような社会体制、医療体制を作り上げることであろう」。ウイルスに立ち向かうのに精神論はなじまない。教訓にしたい。(報道部・川崎勉)



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