土浦市 聴く「ハザードマップ」 視覚障害者・高齢者向け 茨城
視覚障害者や高齢者に災害リスクを分かりやすく伝えようと、茨城県土浦市は洪水・土砂災害のハザードマップの内容を録音した音声データを市ホームページ(HP)で公開している。今後、音声を収録したCDを作成し、視覚障害者福祉協会など関連団体への提供や貸し出しに対応する。日頃の備えの充実で「逃げ遅れゼロ」を目指す考えだ。
音声データは「聴こえるハザードマップ」と題し、今月12日からHP上に公開された。1~5分程度で市が発令する避難情報と国や県が発表する警戒レベルの詳細や、市内を流れる河川から浸水する恐れがある地区、避難の手順などを説明している。市防災危機管理課の女性職員が読み上げに協力。多くの人が理解できるように平易な言葉遣いを心がけている。
市はこれまでに、全世帯にハザードマップを配るなど備えの必要性を訴えてきたが、視覚障害者や高齢者など避難に手助けが必要な人たちにも分かりやすく伝えるため音声化した。
同市は桜川など八つの河川と霞ケ浦があり、市によると、桜川と霞ケ浦沿岸では浸水が最大5~10メートルになる可能性があり、避難が必要になる。急傾斜地の崩壊と土石流が想定される場所は100カ所に上る。避難所の中には、水害の程度によっては使えなくなる場所もある。
市は音声データ公開をきっかけに、避難場所や水害・土砂災害警戒区域などの再確認を願っている。同課の大橋博課長は「災害が起きてから危険な場所を知るのでは遅い。視覚障害の方や高齢者にはもちろん、家族の方も積極的に利用してもらいたい」と話した。