【デスク日誌】地域に欠かせない鉄道

子どもの頃、「ちん電」は身近な存在だった。オレンジとクリーム色に塗られた日立電鉄線の車両が走るのは、日立市と常陸太田市を結ぶ18キロ。小さな行動範囲を広げる大切な移動手段だった

▼2025年までの30年間に、全国で廃止された鉄道路線は68区間1366キロに上る(9日付本紙1面)。00年の改正鉄道事業法の施行で鉄道の廃止規制が緩和されるなどし、ちん電も05年には姿を消した

▼一方、昨年20周年を迎えたつくばエクスプレス(TX)は好調だ。24年度の1日当たり平均輸送人員は過去最高の40万3千人で、開業初年度から2・7倍に増えた。延伸の機運も高まる

▼TX沿線で人口増加や住宅、商業施設などの開発が進む半面、県北地域の人口減少や高齢化は深刻さを増す。地域間格差を広げないためにも、インフラとしての鉄道存続は欠かせない。(報道部・前島智仁)