【デスク日誌】クマ対策で伝わる緊張

日本漢字能力検定協会が発表した世相を表す「今年の漢字」は「熊」だった。4月から11月までの国内のクマによる人的被害は230人で過去最多。犠牲者も最も多い13人に上っている。市街地にたびたび現れたことで、生活への影響が広がった

▼2016年には、その頃取材を担当していた常陸太田市北部の山あいで、養蜂の巣箱がクマに荒らされる被害が出た。本県では長く生息していないとされており、青天のへきれきだった

▼地元の有害鳥獣捕獲隊がパトロールを行い、現場近くにわなを設置する際には同行させてもらった。猟銃を持った隊員たちは頼もしかったが、当然ながらクマの捕獲経験者はおらず、緊張感が伝わってきた

▼あれから9年。6月に大子町で目撃情報があった。対策の最前線に立つ彼らをサポートする体制も、重要性を増してきそうだ。(整理部・長洲光司)