土と格闘 経験積んで

○…県立笠間陶芸大学校の入学式には古風な趣があった。担当教授から一人一人名前を読み上げられた新入生15人は「はいっ」と順に起立していく。金子賢治学校長は「以上の者、陶芸大学校への入学を許可する」と述べた。

続く学校長式辞で、本県の窯業振興と陶造形の優れた担い手輩出という2正面の目標を果たすための方法論を「素材と形」という切り口で述べた。「素材である土と格闘し、自分の形に定着していく経験を積んでいってほしい」と呼びかけた。(友)


○…「呪詛(じゅそ)のように体に染み付いた鮮明な記憶が言葉として表れ、作品の中に出てきている」と話すのは、茨城文芸協会理事の硲杏子さん。自身の人生を振り返る講演会では、「あらゆる不条理を詩の力で乗り越えてきた」とし、言葉が持つ力について述べた。

詩「絶唱」には、「いまだきえやらぬ はちがつのせんこう」「きおくのけろいど」という言葉が登場する。記憶と向き合い続けるのは「表現者のさが」。言葉を通して困難を昇華し続けている。(七)


○…牛久市の特産品「うしく河童大根」の目揃(めぞろ)え会が今月開かれた。生産農家や市場関係者らを前に、JA水郷つくば大根生産部会の山越隼人部会長は「良い大根ができたと感じている」と手応えを語った。

昨年は夏から秋にかけて高温、暖冬と続いて生育が早まった。3月以降は低温で生育が緩やかになり、例年通りに出荷がスタートしたという。白い肌とみずみずしい食感が魅力のダイコンを「見つけたら食べてみて」とアピールしていた。(緑)