2020年4月1日(水)

【論説】茨城県内初の中核市に 水戸のまちづくりの礎に

水戸市は1日、茨城県内初の中核市に移行する。

中核市制度は政令指定都市以外の規模や能力などが比較的大きな都市の事務権限を強化し、できる限り住民の身近なところで行政を行うことを可能とするため、1995年に創設された。人口要件もかつては30万人以上だったが、20万人に緩和されたことで水戸市も要件を備えることになり、2015年に中核市移行を表明し、準備を進めてきた。水戸市とともに大阪府吹田市も移行し、全国で計60市となる。

中核市への移行で期待されるのは、まさに地域の中核となるべく役割だ。茨城大学の川島佑介准教授は「中核市になることがゴールではなくて、中核市になってから何をどうやっていくかが重要」と指摘する。人口的にも産業的にも県央地区の中核となり得るか注視していく必要があるとし、今後周辺市町村との連携の重要性を考えれば「協調体制を一層意識していく必要がある」としている。水戸市は連携中枢都市圏の協議を始めた段階で、「近隣市町村とのさらなる連携推進に向けて、連携中枢都市圏に関わる調査・研究を進め、県央地域の発展に資する都市間協働・広域連携について、一層の推進を図る」としている。

人口減少時代に入り、少子高齢化も進む中で、周辺市町村との連携は欠かせない。水戸市は中心市街地のにぎわいが失われつつある中で、新市民会館の建設が進められ、サッカーJ2水戸の新スタジアム建設の構想も明らかになっている。魅力あるまちや地域をつくっていくためには、広域での連携も求められ、その中核としての役割が水戸市に期待される。

中核市に移行すると市民や事業者の利便性も向上する。県から2600を超える項目の事務権限が市に移譲され、その半数以上が保健所に関わるものだ。届け出や申請などが市の窓口サービスに一元化されるものが増え、手続きなどの迅速化が図られ、市民や事業者の利便性が高まる。それは取りも直さず市の責任が重みを増すことでもある。

県から市に事務移譲されるのは民生、保健衛生分野を中心に幅広い。身体障害者手帳の交付や特別養護老人ホームなどの設置認可、飲食店営業の許可、民生委員の配置など市民生活にとって身近な事務が多い。

感染症や食中毒など市民の生命や健康に大きな被害をもたらすような事態が発生したときも、県を経ないで市が情報を直接収集できるようになるため、迅速な対応が可能となる。

市は新たに保健所と動物愛護センターを設置。市保健所は現在の市保健センターの敷地内に建物を増築し、市保健センターと一体化。乳幼児や成人の検診・相談、予防接種などの保健サービスや休日夜間診療所の運営、感染症対策や食品衛生など保健衛生サービスを一元的に行っていく。動物愛護センターは水戸市河和田町の旧療育センターに設置。動物愛護の普及啓発を図るとともにイヌ・ネコの保護や収容、返還、譲渡を行う。

地域の発展をけん引していくためには優れた人材の確保は欠かせない。市は中核市移行に伴って人材の確保と育成も進めている。

水戸市が都市としての実力とイメージを高め、地域発展の中核となる都市に成長することを期待したい。

2020 年
 4 月 2 日 (木)

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