【いばらき春秋】

秋ナスだけではない。秋サバも「嫁に食わすな」という封建的な言い伝えがある。これはマサバの話で、秋から冬にかけてうまくなる

▼このサバの養殖技術開発に県が乗り出すことになった。横浜市の大手冷蔵倉庫会社と連携協定を結び、県内の漁港に設置したいけすで情報通信技術(ICT)を活用してサバの養殖の実証を始める

▼養殖を目指すのは寄生虫アニサキスがいない、刺し身でも食べられるサバ。天然のサバはアニサキスの宿主となるオキアミを捕食するため、食中毒を引き起こす危険がある。養殖では餌に配合飼料を使うためアニサキスが寄生しないという

▼寄生虫と言えばカツオを思い出すが、サバも安心して刺し身で食べられれば魚好きにとってはこの上ない喜びとなる

▼本県では以前から県栽培漁業センター(鹿嶋市)がヒラメやハマグリ、アワビなどの稚魚や稚貝の生産と放流を行っており、これまでの経験や技術を生かすこともできるだろう。県は「養殖産業を創出していきたい」としており、サバの養殖が水産業振興の上で大きな力となることを期待したい

▼数年後にはサバの養殖を実現したい考えで、その折はいじわるを言わず、お嫁さんにもたくさんのサバを味わってほしい。(智)