【いばらき春秋】

毒という文字を見ると一瞬身構えてしまう。これまでの人生経験で少なからず痛い思い、つらい思いをした蓄積のためか。それだけに「毒を持つ生きものたち」というタイトルには、ちょっぴりくぎ付けになった

▼坂東市のミュージアムパーク県自然博物館で現在開催中の企画展。怖いもの見たさで足を運ぶと、野山にも海辺にも人里にも毒を持った虫や植物のオンパレードだ。なるほど自然界は毒に満ちあふれているのだと改めて感じた

▼夏休みの企画とあって会場はやはり親子連れが目立つ。展示を見て回る先々で歓声が上がり、スカンクの「おなら」のにおいを体験できる装置の前も盛り上がっている

▼しかし、大人も十分学べるのが、ここ自然博ならではの展示である。解説をつぶさに見れば、これらの有毒生物は人間に危害を与えるためではなく、獲物を捕らえたり、自分の身を守ったりする、いわばサバイバルのための武器なのだと分かる

▼翻って人間界にも毒は存在する。毒舌を浴びせられるのは誰もいい気持ちはしないが「毒にも薬にもならない」という言葉には、人畜無害で面白みのないという意味が含まれている

▼人間界もちょっぴり毒があった方が、かえって味があっていいというものか。(飯)