2019年11月12日(火)

【いばらき春秋】

日本人の買い物スタイルを一変させた。わが国初の百貨店・三越の土台を築いた明治の実業家・高橋義雄(1861〜1937年)だ

▼水戸の下級武士の家の生まれ。慶応義塾を卒業後、「時事新報」記者となって程なく実業界への転身を目指し「洋行して箔(はく)を付ける」と渡米。現地の百貨店を見て、そのモダンさに圧倒される。帰国した高橋は三井銀行に招かれ大胆な改革を実践。その手腕を見込まれ経営建て直しを任されたのが老舗の三井呉服店(後の三越)。34歳のときだ

▼当時の店は薄暗い土間の奥から番頭が客を一人ずつ畳に上げて面談。客の好みに合いそうな品を倉庫から持ち出してきて示す昔ながらの座売り

▼〈これでは駄目だ〉。高橋は店内を明るく改造し、ショーケースに多彩な品を一堂に陳列。客が売り場を回って自由に品定めできるよう一新し、店は大当たり。後に「今日は帝劇、明日は三越」の流行語も生まれた

▼昔ながらの現金での買い物スタイルが変わるかどうか。目下脚光を浴びるキャッシュレス決済だ。海外では主流になりつつも日本での普及は伸び悩んできた

▼ただ、高齢者からは逆に支払いが複雑になりそうと懸念の声も。販売改革の先駆け・高橋ならどう応えるだろう。(敏)

2019 年
 11 月 12 日 (火)

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