2021年4月23日(金)

【いばらき春秋】

師の岡倉天心に従って北茨城・五浦に移り住み、絵画制作に没頭する横山大観ら画伯4人の有名な写真がある。大観には修行僧のようなイメージがあるが、実は大変な酒豪で、大のマツタケ好きだった

▼東京に戻った後も、五浦の別荘管理人にこんな手紙を送っている。「マツタケは例年9月5、6日より生える。今年はどうか」。9月初旬といえば、天心の命日に合わせ慰霊祭や日本美術院展が開催される多忙な時期

▼身動きが取れない大観は「昨年は15日に行ったら、もうなかった。1、2本でも出たら大至急連絡して」と頼んでいる。松林に生えるマツタケを思い浮かべ、ソワソワする姿が目に浮かぶようだ

▼大観の静子夫人は家族ぐるみで親交のあった当時大津町の有力者、小野金次にマツタケを贈り、「焼いてゆずしょうゆをかけたり、炊き込みご飯にするとおいしい」と礼状で勧めている

▼小野家に伝わる大観や夫人の書簡など資料約150件を、県天心記念五浦美術館と小泉晋弥茨城大名誉教授が調査。あす開幕する企画展「現代院展のあゆみ」の会場で、初公開を含む約20点を特別展示する

▼「大観の五浦への愛情がよく分かる」と小泉さん。等身大の大観の心の内に迫ってみるのも楽しい。(山)

2021 年
 4 月 23 日 (金)

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