2020年8月15日(土)

【いばらき春秋】

白い布に赤い糸で千個の縫い玉を付けた「千人針」。出征者の無事な帰還を願う関係者の純粋な思いが発端という。大勢の力で願いを遂げようとする合力祈願の一種とされる

▼女性が1人1針ずつ縫い付ける。婦人会などが中心に、街角で女性に協力を求める取り組みも盛んだった。縫い玉でトラをかたどったり、トラを刺しゅうしたりしたものが多かった

▼「虎は千里行って、千里帰る」という言い伝えが基になったといい、特に、とら年の女性には年の数だけ縫い付けてもらった。戦地では、腹に巻くなどして銃弾よけのお守りなどとして使われた

▼終戦から75年を迎えた。各地で当時を振り返る企画展などが開かれている。水戸市平和記念館(三の丸1丁目)の特別展では千人針も展示。終戦直前の8月2日未明の空襲で焼け野原になった市内の写真も見られる

▼一方、新型コロナの影響で、各地の式典や催しなどは縮小や中止の対応を余儀なくされている。毎年15日に開かれる国の全国戦没者追悼式は感染防止対策を施し、参列者を例年の約1割に減らして執り行われる

▼人々の「願い」が新型コロナの収束に向かう中での終戦の日。平穏な日常のありがたさや平和の尊さをかみ締める1日にしたい。 (斎)

2020 年
 8 月 15 日 (土)

メニュー
投稿・読者参加
サービス