【いばらき春秋】

昨年は平年よりだいぶ遅く6月21日、2年前は同8日だった。県内の梅雨入り日だ

▼梅雨の足音が近づくと、大雨の備えが必要となる。本紙5月27、28日付では、取手市双葉地区の地元消防による装備品のチェックと、日立市職員による土のう作り訓練を伝えた。ともに浸水被害を受けた経験が近いだけに、真剣さが分かった

▼水の事故も怖い。ことわざに「梅雨のとき川に行くと河童に引かれる」がある。水量が多い川は危険だと戒めている。着衣泳の指導を行っている学校もあるようだが、あらためて子どもたちに危ないと伝えよう

▼一方で、梅雨を楽しむ気持ちも持ちたい。花鑑賞ならアジサイか。雨引観音(桜川市)など県内各地に見どころはたくさん。取材した中では二本松寺(潮来市)の赤のアジサイも素晴らしい

▼食べる楽しみはイワシか。青魚好きが待っているのが「入梅いわし」。6~7月に取れるマイワシは太って丸みを帯び、一年で最も脂が乗っている。昨年神栖市内で食べたが、格別においしかった

▼今年の梅雨入りは九州南部からだった。沖縄・奄美以外では62年ぶり。日本気象協会によると、関東甲信は平年より遅く、今月中旬ごろだという。後で、いい梅雨だったと言えればいい。(臣)