【エンタメ総合】
“避妊リング”公表した益若つばさの真意、ギャルからママへ…影響力変わらずとも「代弁者にはなりたくない」

「避妊リング」を装着したことを公表し、話題を呼んだ益若つばさ


 先日、YouTubeで「避妊リング(ミレーナ)」を装着したことを公表し、大きな話題となった益若つばさ。「炎上する可能性がある」と考えながらも公表に至った理由、反響を受けて感じた日本の性教育の問題とは? かつてはギャル代表として、大きな発信力を持っていた益若。35歳になった今、いまだ多大な影響力を持ちながらも、「代弁者にはなりたくない」と語る真意も聞いた。



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■「避妊リングはかなりなパワーワード」、反響に感じた男女の意識の差



――避妊リング(ミレーナ)を入れたことをYouTubeやInstagramで公表され、大きな反響がありました。



【益若つばさ】ミレーナのことは、友だちから「本当に生理がラクになった」という話を聞いたんです。私自身も生理不順で悩んでいて、選択肢の一つとしてアリかなと考えました。実際、仕事にならないくらい生理痛がひどい人もいますし、避妊をしっかりしたくてもピルを飲めない人もいる。私が避妊リングを入れるか入れないかはどうでも良くて、自分が動画にして発信することで、一人でも多くの方が知る、考えるきっかけになればと思ったんです。



――とはいえ、デリケートな問題でもあるので、発信に迷いはなかったですか?



【益若つばさ】正直、炎上する可能性があるとは思っていました。アフターピルでさえ「性に奔放になる」と批判される世の中ですからね。そもそも、避妊リングという言葉自体が、かなりなパワーワードだとは思うんです(笑)。ただ、その言葉のおかげで今回、男性の目にとまったとも言えます。のちのちは名称を変えてもらえたらとは思いますが、今はまず、そうやって多くの人に知ってもらうことが大事かなと。



――反響についてはどう感じましたか?



【益若つばさ】100万回近い再生数になっていますが、避妊リングを知らない人が予想以上に多く、嫌悪感を示す人もいました。でも、女性からは「こういうものがあるんだ」とか、「私も入れています」「私は合わなかった」と、いろんな反応があり、批判的なコメントはほとんどなかったですね。YouTubeのコメント欄が、女性同士の情報交換の場になっていったのは嬉しかったです。でも、その反面、男性のコメントには「性に奔放ですね」「やりたいだけ」というのも多くて。「日本の性教育って、実際、このくらいなんだな」とわかりましたし、男女の差を感じました。



――やはり誤解は多いんですね。



【益若つばさ】そもそも、性に奔放な女性が避妊リングを入れたとしても、悪いことじゃないと思うんです。それは、自分の体を守るためだから。それよりもいけないのは、生理や性、避妊の話を恥ずかしいもの、汚いものとして隠すこと。もちろん、すべてをオープンにしたいわけではないけれど、本当につらい人、誰かに話したいけど話せない人がたくさんいることは知って欲しいと思います。



――日本では性教育が遅れていると、よく言われますね。



【益若つばさ】そうですね。今回のコメント欄にも、「息子がいるのに避妊リングの話をするなんて、親として気持ち悪い」というものがありました。でも、私は普段から息子に生理の話をするし、学校でやらないなら家庭でコンドームやセックスの話をきちんとした方が良いと思う。私の時代にはそういう性教育はなかったけど、みんなそういう経験を経て子孫を残しているわけで、それを「気持ち悪い」の一言で片づけて良いのか、と。一方で、最近では女性タレントの方々が生理や性の話を発信する機会も増えてきて、すごく良いことだなと思います。



■「“世の中に物申す”みたいな人になりたくない」、発信の真意



――YouTubeでは、図解も使って詳しく解説していました。そこには何か意図が?



【益若つばさ】「影響力のある人が間違った発信をすると誤解する人がいるから、発信しないで」と言う人もいます。でも、無知から一歩踏み出して、自分が体験した感想を伝えることには意味があると思っていて。今は専門家など詳しい人以外、発信しちゃいけない流れになっていますが、若い世代にはそう思ってほしくない。私自身、発信して初めて、皆さんの声から知ったこともたくさんあります。最初から完成されたものでなくても、一緒に学び、一緒に成長していける場になればと思っています。



――益若さん自身、女性たちの輪の中で情報交換しているわけですね。



【益若つばさ】ただ、私も以前は、こういう話題を発信しなくても…とは思っていました。変な注目のされ方をするし、「世の中に物申す」みたいな人になりたくなくて。



――発信力があるのに、なぜですか?



【益若つばさ】私はフェミニストでもないし、「男性は~、女性は~」と括りたくもないんです。「物申す」ということは不満があるということであって、そういう発言ばかりが世の中に増えるのは、怖いじゃないですか。私はそうじゃなく、楽しく意見交換がしたい。より良くしたい思いはみんな一緒のはずなのに、目に見えない誰かと戦っていますよね。私はあくまで、雑談のきっかけになれたらと思っているんです。



――ママたちの代弁者とか、女性たちの代弁者ではないわけですね。



【益若つばさ】代弁者にはなりたくないです!(笑)。バラエティーのガヤのように「こういうのあるよ」と話題を提供して、それをきっかけに話し合ったり、議論してくれたら良いと思います。



――話題提供という発信の仕方は、新しい気がします。



【益若つばさ】叩かれる機会が増えるから、挑戦ではありますね(笑)。でも、専門の人しか語れない世の中になっちゃうと、せっかく興味を持った子たちの芽を全部摘んでしまうと思うから。今、そういう若い子の発信を阻止しているのが、私たち上の世代になってきているのかなと思います。



――年齢を重ねたことで、ご自身の立ち位置の変化を感じることも?



【益若つばさ】20代のときには経験がないから、何を言っても説得力がなかったと思うんですが、今は35歳。若い世代と上の世代との、ちょうど間に挟まれている感覚がありますね。日本はかなり上の世代の方が色々なことを動かしていますが、変えていかないといけないと気づいている人もたくさんいて。性や生理に関することも、やはり世代が違うとリアルに困難を感じにくいと思うんですよね。そういう意味でも、30代の私たちが上の世代と若い世代の間を埋めることができたらと思うし、異なる世代が一緒のコミュニティに入ることはすごく大事だと思います。



――ギャル時代の発信力が、今に生かされていると感じることはありますか。



【益若つばさ】私の若い頃というよりも、今のギャル代表、若者代表の方の発信力は素晴らしいと思います。例えば、にこるん(藤田ニコル)とかみちょぱとか、EXIT・兼近さんの言葉は、専門家が語るよりも身近で、フランクで、耳に入りやすい。私が編集長を務めた『TOKYODOT(トーキョードット)』という雑誌でも兼近さんに話を聞いたんですが、そういう人たちがたくさん増えると良いなと思います。



――『TOKYODOT』はすでに完売されたそうですが。第二弾が進行中なんですよね。



【益若つばさ】はい。まだ企画会議の段階ですけど(笑)。この雑誌のテーマは「学校で教えてくれない教科書」で、第二弾では、お金の話もしたいと思っています。お金の話はすごく重要なのに、学校ではやらないですよね。お金を稼ぐのが悪みたいな捉え方がある一方で、みんな稼ぎたいと思っているのも事実。今後はミレーナとかコンドームとか、性の話題も盛り込んでいきたいです。この雑誌が、子どもや親、おじいちゃんおばあちゃんなど、いろんな世代がなんとなく気になっていることをしゃべれる場になり、家族の共通言語のひとつになったら良いなと思います。



――YouTubeでも、今後もミレーナや性についての発信は続けていきますか?



【益若つばさ】そうですね。個人差はあると思いますが、実際に入れたときは私も痛かったですし。今後の経過なども発信して、またみなさんの情報交換の場を提供できたらと思っています。



(文:田幸和歌子)

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