【エンタメ総合】
SKE48を3年かけて口説き落とした “黒幕”高木三四郎が語るアイドルとプロレスの高い親和性

CyberFight代表取締役社長・高木三四郎氏 (C)oricon ME inc.


 5月にSKE48の現役メンバーである荒井優希が女子プロレスに本格参戦。多くのメディアで取り上げられ、プロレスファン以外からも多くの注目を集めた。仕掛けたのは「東京女子プロレス」運営のCyberFight代表取締役社長・高木三四郎氏。自身もDDTプロレスリング旗揚げ時から参画し、プロレスラーとして活躍する一方、プロデューサーとして話題性のあるマッチメイクを仕掛け「プロレス界の秋元康」と呼ばれるほど。そんな“黒幕”が、荒井参戦の裏側から、女子プロレスとアイドルの親和性の高さについて語った。



【写真】足を決められ、悶絶するミニスカ、へそ出しの荒井優希



■長身でリング映えする荒井優希に感じたスター性



――SKE48の荒井優希さんがプロレスに参戦したきっかけを教えてください。



【高木三四郎】『DDT・マジ卍』第4試合(2018年7月10日)に、スペシャルゲストとしてSKE48の須田亜香里さんが来たことからすべてが始まりました。まったくの偶然なんですが、ひょんなことから須田さんがチャンピオンに卍固めを綺麗に決め、『アイアンマンヘビーメタル級王座』の王者になったんです(笑)。



――?? どういうシチュエーションですか?(笑)。



【高木三四郎】『アイアンマンヘビーメタル級王座』は、24時間365日レフェリーさえいれば誰でもどこでも挑戦できるものなんです。過去には南海キャンディーズの山ちゃん(山里亮太)もチャンピオンだったりした時期もありました(笑)。



――そこからなぜ荒井さんが本格参戦する流れに?



【高木三四郎】須田さんから、松村香織さん、さらに荒井さんとSKE48内でベルトが渡っていったんです。それを取り返すための試合を実施したんですが、そこに現れた荒井さんが、すごくリング映えしたんですよ。身長167センチメートルという長身で、顔もキリっとしていて。実はそこから3年くらいずっと口説き続けていました(笑)。

 特に昨年は、コロナ禍でエンタテイメント業界が厳しくなるなか、話題を作らないといけないと思い、後楽園ホール大会やさいたまスーパーアリーナ大会も見据えて、本腰を入れて口説きました。「スターになれる。プロレスをやりましょう」と。荒井さんもちょうどコロナ禍で以前ほど過密なスケジュールではなくなっていた時期で、決意してくれたんです。



――最初にベルトを奪取した須田亜香里さんは口説かなかったんですか?



【高木三四郎】口説きましたが、即答でダメだった(笑)。須田さんも頭の回転が速いので、リング上でのとっさの対応力や、お客さんを乗せる能力があると思うんですけどね。



■“人を魅せる”という点でアイドルもプロレスも変わらない



――実際に練習に参加する荒井さんを見てどうでした?



【高木三四郎】もともとアイドルとして専用劇場でほぼ毎日公演をしていたので、体力は心配していませんでした。それに加え、バレエ経験があるから柔軟性が高く、かかと落としまでできるのには驚きました。飲み込みも早かったですね。受け身を取るのがうまいし、3回目の練習くらいでもうロープワークもできていましたから。闘争心もすごいですし。



――そのポテンシャルの高さは、一線で活躍するアイドルグループの中で培われたものなんでしょうか?



【高木三四郎】そうですね。格闘技やプロレスではリズム感が大事ですが、コーチから指導された動きをその場で表現できるのは、AKB48グループで鍛えられていたからだと思います。



――そうやって考えると、女子アイドルと女子プロレスは親和性が高いように思えます。



【高木三四郎】アイドルと女子プロレスの地続きの関係は、かつてのビューティ・ペアが活躍したところからの流れがあります。私も『オレたちひょうきん族』の「ひょうきんプロレスアワー~」や『めちゃ×2イケてるッ!』の「めちゃ日本女子プロレス」を見ていました。そういうところを見ると、女子の方が比較的“混ぜやすい”“溶け込みやすい”のかなと思っていました。芸能人の方がプロレスをやるということに関して。



――その“混ぜやすさ”というのは、どういったところで判断できるのですか?



【高木三四郎】力が勝敗を分ける男子プロレスと違って、女子の場合、個々のフィジカルや運動神経や体の動かし方が大事なんです。余談ですが、以前自分でプロレスをやりたいと志願してきたLiLiCoさんはさすがで、現役女子レスラーよりも強かった(笑)。フィジカルが半端じゃなかったですね。

 あとはやっぱり場慣れですね。試合で選手のポテンシャル100%を出せるかは、緊張や体力による部分が大きく、新人選手は20~30%しか出せない場合が多いんですよ。その点、荒井さんはアイドルとしての経験があるから、さいたまスーパーアリーナでの試合前も「全然緊張していない」と言っていました(笑)。



――そうやって培われた“考え”が現役のアイドルをリングにという発想に生かされたんですね。



【高木三四郎】現役のトップアイドルがプロレスをやったらどうなるかは、以前から考えていたことなんです。人を魅せるという点では、グループアイドルとプロレスはそんなに変わらない。そもそもDDTプロレスリングはエンタメ色の強い団体で、AKBグループの運営にヒントを得ているんですよ。「総選挙システム」をプロレス団体でも応用できるのではないかと思い、リング上の戦いだけでなく、人気の戦いとして『AKB総選挙』が始まった翌年(2010年)から『DDT総選挙』を開始したくらいですから。



――なるほど、運営の部分でも共通点が多いのでしょうか?



【高木三四郎】アイドルとプロレスは、文化も運営も、ファンの方々も近いところがあるんですよ。AKB48さんのライブに行って驚いたんですが、会場にいるアイドルファンの半分くらいが、新日本プロレスさんのものも含めてプロレスTシャツ着ているんです。話を聞いてみると、「『AKB総選挙』はプロレスやPRIDEを見るようなものだ」と言う人もいて。2012年に「東京女子プロレス」を立ち上げたのはそのあたりが念頭にありました。



■成功のカギは平等ではないチャンスをモノにできるかどうか



――高木さんはプロデューサーとしての能力から「プロレス界の秋元康」とも言われますね。



【高木三四郎】正直なところ、秋元さんに影響を受けたところはあります。秋元さんの言葉に「みんな、必死に努力して、チャンスの順番を待つしかないのです」というものがあるんです。グループアイドルには、何かのタイミングで選抜入りやセンターになるチャンスがあると。東京女子プロレスにも「練習は当たり前で、チャンスをつかむことが大事」と伝えています。



――チャンスをつかめる人とそうでない人の差は何だと考えていますか?



【高木三四郎】運の要素も大きいと思います。努力はみんなしているし、能力もあるけど、運を味方につけることができるか、チャンスをモノにする力があるか。例えば、プロレスではビックマッチとか両国国技館、武道館のメインイベントがあり、そこには選ばれた2人が主役として出ますが、そういう場で活躍できる子もいれば、しょぼい試合をしちゃう子もいるわけです。



――なるほど。高木さんはプロデューサーとして、チャンス与える立場になるわけですが、どのような考えのもと、マッチメイクを考えているのですか?



【高木三四郎】正直、平等ではありません。例えば試合が下手でも、SNSで急にバズっている選手などは、運気が来ていると判断して、フィーチャーすることもあります。LinQというアイドルグループをクビになった伊藤麻希という子がいるんですけど、試合は下手なんですが、お客さんの心をつかむのが上手いんですよ。しょっぱい試合して、どうするんだろうこの空気と思ったら、最後のマイクパフォーマンスで、ゼエゼエいいながら、「お前ら、自殺するんじゃねぇ!死にたくなったら、伊藤の試合を観ろ!生きろ!」って。それだけで空気が一変して大盛り上がり。会場を持っていくんです。



――エンターテイナーとしての素質が“東京女子プロレス”で開花したんですね。



【高木三四郎】それを観たら、伊藤にチャンスを与えた方がいいのかなって思えたんですよね。アメリカのAEWのトーナメント戦に、エントリーしていた選手がケガで出られなくなって急遽出場したときも、1回戦で負けたものの、負けっぷりが良くて(笑)。これがYouTubeで配信されて話題になって。AEWからオファーを受けて、伊藤は今、日本とアメリカで人気を伸ばしていて、SNSフォロワーもどんどん増えて今では13万人になっています。



――チャンスをつかみスターダムにのし上がっていく様子は、まさにア

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