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TOKIO松岡昌宏、苦悩する男役で新境地 今一番知りたいことは「滝沢秀明の頭の中」

連続ドラマW『密告はうたう 警視庁監察ファイル』(22日、放送・配信スタート)に出演する松岡昌宏、仲村トオル(C)WOWOW


 人気グループ・TOKIOの松岡昌宏(44)が主演し、WOWOWプライムで22日から放送予定の『連続ドラマW 密告はうたう 警視庁監察ファイル』(全6話、第1話無料放送)。4万人を超える警視庁職員の不正を取り締まる警視庁人事一課(通称:ジンイチ)監察係に異動した警察官・佐良正輝を主人公とした警察ミステリーで、重い葛藤を背負う男を熱演している。このほど、松岡が合同インタビューに参加し、“新しい松岡昌宏”を見せたいと、切り拓いた新境地への想いを明かした。



【動画】『密告はうたう』予告映像



 今作は、新聞社勤務などを経て、2013年に『見えざる網』で第33回横溝正史ミステリ大賞を受賞しデビューを果たした伊兼源太郎氏の同名小説(実業之日本社文庫)を実写化。“本当の裏切り者は誰だったのか?”。一通の密告文に端を発した極秘の内部捜査は未解決事件の真相につながっていた。尾行・張り込み・騙し討ち。スリルとミステリーに満ちたストーリーを展開するハードボイルド・サスペンスだ。



 まず作品について、内片輝監督からは『今まで観たことのない松岡さんを見せてください』とのオーダーがあったそう。「こちらもたくさん持っているわけではない、でも出さざるを得ない作品なので、100%出しました。普段は、僕がやる意味を考えて “とはいうものの…”と言うときもあるんです。でも、それを含めて全部出してくださいとのことだったので、引き受けた以上は出しました。監督が引き出してくださった部分、そしてほかの演者さんのモチベーションに引っ張っていただき、『なるほど、こういうアプローチをされるのか』と刺激を受けた部分もあります」と自らの引き出しを開け放ち、かつ、共演者との相乗効果でこれまでにない姿を作り出した。



 ある事件の捜査中に後輩刑事を殉職で失い、捜査一課からジンイチに異動してきた佐良は、これまでの経験が通用せず困惑。みどころとなるのが監察対象の行動確認(通称:コウカク)のシーンだ。本来尾行のプロである身内の刑事たちにも気づかれない高い技術が必要となるがこれまで捜査一課にいた佐良はそこで壁にぶつかる。「第1話は“うまくできないように見せる”ことが大事だった。人間ってそういう時どうするかな、と思ったらきっと無駄な動きが多い。せりふでも、『キョロキョロするな』と言われるので、そのキョロキョロの仕方や角度は意識しました」とこだわりを明かす。



 「人間の道理を無視され、より機械的になることを教育される。捜査一課にいた腕利きの刑事がその役割に当てはめられたときの辛さは普通の人よりも辛いと思うし、葛藤したのではないか。捜査一課でのノウハウや、腕があった分、ジンイチでは難しいのではないか、それが面白いところでもあります」。本来ならデキる側だった人間が置かれた環境によって、ズレが生じ歯車が狂う。そこもまた今作の魅力。普段、お茶の間でみせる頼れる兄貴的なキャラクターから一転、周囲への疑惑に苦悩する男をリアル感をもって演じる。



 ちなみに、松岡自身が“監察”に向いているかどうかについては「僕には集中力というものがないので、無理ですね」とキッパリ。「城島(茂)は向いていると思います。ムッツリだから(笑)。マメだしね。僕はそういうのダメ、国分(太一)も集中力がないからダメです(笑)。真面目でいなきゃいけないところでふざけるから。そういうところが小3で止まっている。城島は周りの人の変化に気づきやすいわけではなく、ほかが見えない。ほかが見えないからいいんです。ターゲットを追い詰めるならマイペースな人がいい。僕は他の情報が見えると意識がそっちにいっちゃうから向いていないと思いますね」と分析していた。



■監督のハングリー精神に共鳴 現場で築いた信頼関係「ウチの城島と同じ年齢とは思えない(笑)」



 これまでWOWOW『殺人分析班』シリーズや『連続ドラマW コールドケース~真実の扉~』シリーズなどミステリーやサスペンスを数多く手掛けてきた内片監督とのタッグについて「今まで使っていたテクニックは使えなかった」とまっさらなまま臨んだ。「内片監督が飢えているから面白い。何に飢えているかはわからないんですけど、一番血気盛んでやりたいことがある時に、やりたいことができなかった。本当に今、まだ足りない、と飢えているんです」とその熱に感化された部分も。



 「だからすぐに現場に来る。ずっとモニター前から動かない監督が多いなか、ロケ撮影でも、歩道橋を渡ってわざわざこっちまで来て、一言、『よかったです』だけを言いに来る。それを助監督が言っても良いんだけど、そうなるとニュアンスが変わる。どちらかというと僕も、自分で言いにいくタイプだから、共感する部分は多々ありました。満足していない人のかっこよさが僕はすきで、ブレない正解も頭の中に持っているから、『違うと思います』とも返してくれるし、型にハマるわけでもない。一番ハードボイルドなのは監督だったんじゃないかな」と信頼のもと、共闘した。



 「苦労したところはないです。せりふが長かったくらい(笑)。僕が『大丈夫なのかな?』と思っても監督の顔を見れば、大丈夫だと思いました。この監督が言うなら大丈夫という揺るぎない自信がありました。ウチの城島と同じ年齢とは思えない(笑)。これが年上か、と思いましたね」と冗談めかしながらも安心感があったようだ。



 そしてその“飢え”を感じた人物がもうひとり。佐良が刑事時代に捜査をともにした直属の後輩であり佐良の前で殉職した斎藤康太役を演じたA.B.C-Zの戸塚祥太だ。「手前味噌ですがプロですね。とてもプロな野郎だなと。難しい監督の要求にも一切めげることはなく、コイツも飢えているんだな、と思いました。もっともっと欲しいんだな。楽しみです、いろんな作品でみたい」と後輩への期待を込めた。



 あらゆる謎が張り巡らされ、登場人物が抱えた秘密が、松岡いわく「ラジオ体操でカードにスタンプを押すかのように」、一つ一つ、明らかになっていく。そんな松岡が今、一番知りたいことは「滝沢秀明の頭の中。どういう思考回路でトップスターから今に至ったんだろう。どういうことを考えているのか。我々も会社を作って、違う仕事で動き出しましたが、アーティストという面も持ちながらやってるので。それをスパッとやめて裏方にまわったアイツはなにを考えているのか。そうですね…先代の七回忌が終わったくらいで酒を飲みながら聞いてみたいです」と興味を示していた。

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