
【映画】
【かけがえのない1本】沖田修一監督、オフビートな笑いがお好き? 『フレンチアルプスで起きたこと』

お気に入りの映画の話から、気になるあの人の心の中を少しだけのぞかせて。公開中の映画『子供はわかってあげない』で自身初となる漫画原作の映画化に挑んだ沖田修一監督。『南極料理人』『横道世之介』など、ユーモアあふれる、あたたかい人間ドラマを描いてきた沖田監督が選んだ“かけがえのない1本”は、『フレンチアルプスで起きたこと』。どんなところが刺さったのか?(※映画のネタバレ要素を含みます)
【動画】好きな映画について語る沖田修一監督
###
初めて観た時、衝撃を受けました。家族でスキーを楽しんでいたところに、雪崩が起きて、お父さんが家族を置いて逃げてしまう。雪崩は大したことなくて、その後の出来事を描いた映画です。
お父さんにとっては、それはもう地獄のような日々で、僕はずっと笑いっぱなしでした。コメディーなのかどういうつもりなのかわからないんですけど、家族の信頼を失ったお父さんの哀しさがものすごく出ている映画です。
監督のリューベン・オストルンドは北欧スウェーデンの人なんですが、オフビートというんですかね、出来事だけで淡々と進むんですが、「理想のパパ」の座を取り戻そうと必死にあがくお父さんがもう、見てられない(笑)。ニヤニヤしながら、何度観ても楽しい映画です。
###
■プロフィール
1977年生まれ。2001年、日本大学芸術学部映画学科卒業。数本の短編映画の自主制作を経て、02年、短編『鍋と友達』が第7回水戸短編映像祭にてグランプリを受賞。06年、初の長編となる『このすばらしきせかい』を発表。09年、『南極料理人』が全国で劇場公開されヒット、国内外で高い評価を受ける。『横道世之介』(13年)で、第56回ブルーリボン賞最優秀作品賞などを受賞。近作は『滝を見にいく』(14年)、『モヒカン故郷に帰る』(16年)、『モリのいる場所』(18年)、『おらおらでひとりいぐも』(20年)。
■沖田修一監督最新作、映画『子供はわかってあげない』(公開中)
数々の漫画賞で話題を呼んだ田島列島の同名漫画を映画化。水泳×書道×ガールミーツボーイ×アニヲタ×家族×迷!?探偵×本当の父探し×元教祖=まさかの超青春映画。主人公・美波を演じるのは、上白石萌歌。相手役のもじくんこと門司役に細田佳央太。美波が幼い時に離婚し、行方がわからなくなってしまった実父の友充役に豊川悦司。もじくんの兄であり、ストーリーの鍵を握る探偵役に千葉雄大。美波の母親である由起役に斉藤由貴。美波の育ての父に古舘寛治。
■沖田監督が審査員長を務める「Hulu U35クリエイターズ・チャレンジ」(通称:HU(エイチユー)35)
35歳以下を対象とした新世代の映像クリエイター発掘&育成プロジェクト。沖田監督が審査員長を務めた第3次選考を経て、ファイナリスト5人が決定した。ファイナリストは、それぞれ制作費1000万円とプロの映画制作チームのサポートを受け、自身がプレゼンした短編企画を監督として制作。完成した5作品は、ファイナリストたちの制作過程に密着したドキュメンタリー番組とともにHuluで配信され、その後5作品の中から最終審査によってグランプリ作品が選出される。グランプリ受賞者は、賞金100万円とHuluオリジナル新作の監督権が贈られる。
・ファイナリスト発表:2021年8月3日
・ファイナリストによる短編作品制作期間:2021年8月~2022年2月
・ドキュメンタリー、短編作品配信:2022年2月想定
・最終審査・グランプリ発表・授賞式:2022年3月
公式HP:http://HU35.jp/